内容説明
「夢」はどのように見られ、解釈されてきたか?睡眠時、誰もが見たことがある夢。しかし夢は、古代から記録され、時の政治を左右することもあった―。奥深く、しかし把捉しづらかった夢の姿を、文学・歴史・美術・宗教・心理・メディア・睡眠文化など、あらゆる視点から解明する。
目次
1 古典文学の夢と表象(日本古典文学の夢と幻視―『源氏物語』読解のために;平安文学における死者の夢―八代集を中心に;“懐妊をめぐる夢”の諸相―説話と物語のあいだ;『たまきはる』の夢をめぐって)
2 古代・中世史の夢叙述(平安時代における僧侶の“夢記”―九世紀以前の僧と夢;日記に見える夢の記事の構造;夢想にみる持明院統と崇光院流の皇統―中世北野社の場所性と皇位継承)
3 ビジュアライズされる夢(『仏祖統紀』における夢幻の記述―視覚イメージとその造形化について;慶政の見た夢―造寺造仏と夢をめぐって;描かれた夢―吹き出し型の夢の誕生;夢の表象?―夕顔あるいは瓢)
4 中国の夢と表象(つまの死の歌―中国文学における夢と悼亡;『今昔物語集』「震旦部」と中国文献―「医者の夢」と「日の遠近比べ」を手がかりとして;豊子〓(がい)訳『源氏物語』における明石像―明石入道の見た夢の訳出方法を起点として)
5 夢の風景と所在(夢を解釈し語ることとパターンマッチング;印刷時代における「夢」―レミ・ベロー『牧歌』(一五六五)を中心に
志賀直哉の夢景色
夢と文化の読書案内)
著者等紹介
荒木浩[アラキヒロシ]
1959年新潟県生まれ。国際日本文化研究センター教授。日本古典文学専攻。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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