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内容説明
〈少女〉はどのようにして生まれ、どのように時代とかかわり、どのような問題を抱え、どこへ行こうとしているか―巷をにぎわす“鏡としての〈少女〉論”の難点を検証し、新たな〈少女〉論の深化をめざす。
目次
第1章 少女・〈少女〉・女の子
第2章 ヅカヅカの系譜―本田和子「ひらひらの系譜」を読み直す
第3章 初潮という切札―日本児童文学の場合
第4章 別離の予感―動物物語の中の〈子ども〉
第5章 二重の鏡―動物を愛する〈少女〉の物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
14
各メディア~個人レベルまで、大人たちは少女に対し、「これからは女の子も」と持ち上げる一方「女の子のくせに」とおとしめるという二重規範を押し付けている。だというのに、少女論の方はと言えば、大塚英志『少女民俗学』に代表されるような、少女自身が表現する〈少女〉について書かれたものが多い(しかもこれは少女それ自身についてより、近代以後の日本語りに近い)。本書は、それら既存の少女論が無視してきた「大人が作る少女」を論じるために、少女・児童文学の批評を行っており、なかなか新鮮に読めた。少女論を考える上では必読の一冊。2017/03/27
kenitirokikuti
7
図書館にて。1991年刊行。著書は英文、児童文化を専攻。大阪国際児童文学館専門員(当時)。表題作をふくむ5つの評論をまとめたもの。そうか、昭和後期はこういうのは児童文化論の扱いだったなァ…▲表題作。オールド児童文学で初潮を扱ったのは『キューポラの街』。経産婦は初潮を「女の連帯」として肯定的に見る傾向があり、児童文学の書き手だった母たち初潮を迎えた少女たちを取り込もうとする▲古典動物児童文学。元祖的な作品は『フランダースの犬』『黒馬物語』1870年代。古典的な名馬・名犬物語の主人之は、ほとんど少年。2020/10/09
ガジ
2
読んだもの日記サボっててすまないというお気持ち。 先行研究への批判が結構尖って説得力があって良かった。児童文学の事例の批評になっていってしまっていて、少し本筋とずれる気がしてしまった。動物の話題とか関係あったかな?(でも『男が文化で女は自然か』の議論に結び付く気もする)2023/04/28
神在月
1
図書館でいらなくなった本を開放したときに時間がなくてじっくり選べず、三分でタイトルだけで選んだ7冊の中の一冊。1991年に上梓されたもの。これがなかなか面白かった。拾い物。サブタイトルが「<少女>批評・序説」となってる。この当時の代表的な少女文化論三つが俎上に上げられ、縦横無尽に解体され切り刻まれてゆくのは、その素となる三つの少女論を読んでいなくても痛快際わりない。結論としてはこの三つの少女文化論も少女は日本文化の鏡であると言ってるのだそうである。2014/02/02
澁澤るり子
0
今、ブームの「少女論」を考える上では必読と思う。2014/11/09