出版社内容情報
宗教調査と寺院調査に見る地域寺院の実態
内容説明
お寺がつなぐ人と地域。宗勢調査や寺院調査などの一般には未知の資料を丁寧に読み解き、主要宗派の寺院のリアルを活写、地域に生きるお寺の未来を展望する、類いまれな一冊。寺院の消滅=地方の消滅!?
目次
第1部 人口減少社会と宗教(人口減少社会における心のあり方と宗教の役割;過疎と宗教―三〇年をふりかえる)
第2部 宗派の現状と課題(過疎と寺院―真宗大谷派;信頼は醸成されるか―浄土真宗本願寺派;住職の兼職と世代間継承―真宗高田派;宗勢調査に見る現状と課題―日蓮宗;過疎地域における供養と菩提寺―曹洞宗;寺院の日常的活動と寺檀関係―浄土宗)
第3部 寺と地域社会(門徒が維持してきた宗教講―真宗高田派七里講;抵抗と断念―地方寺院はなぜ存続をめざすのか;廃寺―寺院・門信徒の決断;仏婦がつくる地域―ビハーラの可能性;坊守がつなぐ地域―寺院は女性で支えられる;傾聴する仏教―俗世に福田を見る)
著者等紹介
櫻井義秀[サクライヨシヒデ]
1961年山形県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。現在、北海道大学大学院文学研究科教授。専門は宗教社会学、東アジア宗教文化論、タイ地域研究
川又俊則[カワマタトシノリ]
1966年茨城県生まれ。成城大学大学院文学研究科日本常民文化博士課程後期単位取得退学。現在、鈴鹿大学短期大学部・生活コミュニケーション学科教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
56
寺院と過疎の問題を取り扱った一冊。正直読んでいると欝々とした気分になってくる。全体の構成は概論と各宗派の取り組み、そして実際の模様となっているのであるが、特に読む価値のあるのは現場の様子。講やビハーラを通じた地域社会への貢献や、実際に廃寺に至るまでの様子が語られているが、何となく根本的な問題解決ではなく対処療法のような気がしないでもない。過疎という社会全体が絡んでくる問題であるから仕方ないのかもしれないが。寺院と地域社会の関係性や社会活動等考えさせられる事も多いが、やはり先の展望が見える気がしないなあ。2017/03/04