出版社内容情報
なぜ人は空を見るのか。果てしない虚空を見つめて、人は無常や無私や無限に思いを至してきた。芸術や宗教の始原を心に映る無限にとらえ、無限を呼吸することで初めて地上に生きうる人間の本質を解き明かす、宗教哲学注目の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雁林院溟齋居士(雁林)
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本来表象を超越する「無限」が「空」として心の内に内的空間を切り開き、そこに構想力によって結ばれたイマージュが映る、という現象について、主に西谷啓治に依拠しつつ様々な哲学者を引用しつつ多様な論点に亘って論じている。内在と超越の結節点としての心的な「空間」と現じてくるイマージュを考える試みとしては何れも興味深い。無論、後に続くフランススピリチュアリスムとシェリング、レヴィナス、西田とベルクソン、田辺、西谷、武内義範などの各論にも無限や超越と象徴及びイマージュの関係を巡るその独特の宗教哲学的視点は流れている。2013/06/12
たしかにわたしがうえのです。
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【付箋】(赤)p.25,p.32,p.35,p.77,p.215,p.226(青)p.67,p.2522012/09/05