出版社内容情報
古代日本において宗教は女性を忌むようになった。だが、女性たちは仏に心を寄せ、救いにあずかりたいと願い、寺に詣でて仏に祈り、僧に頼んだ。高僧の住む山や大寺の結界の外には僧の母が暮らし、洛中洛外の霊場では女性に開かれた寺も多かった。一方で、僧が妻帯し世襲をして寺院の諸職を支えていた事例もあった。その時々の宗教や政治・社会状況に適応して解釈されてきた教説や女性と仏教のかかわりあいを丹念に解明した名著の文庫化。
目次:
序 女の生死
第一章 仏法と忌み
一 女性の忌み
二 神斎と仏事
三 咎と祓―同衾の忌み―
四 血の忌みと山
五 仏法と忌み
六 出産と僧
第二章 骨のゆくえ
一 死と葬送と墓
二 二十五三昧
三 骨のゆくえ
四 開山の周辺
五 女性開基の寺
第三章 山・里・女人
一 転女成仏―後生への祈り―
二 女性の出家
三 女人禁制
四 結界の構造
五 里坊の営み
六 里坊の宗教的性格
七 別所―母と妻の終の住処―
八 寺辺の尼
九 尼の止住
十 参詣と宿泊
第四章 僧の「家」
一 僧の家族
二 僧の妻帯と世襲
三 寺家と妻
四 息子の僧
第五章 王朝の巫女
一 巫女と僧
二 妖言の罪
三 王朝の巫女
四 巫女の託宣
五 巫女と王朝仏教
あとがき
図版一覧
文庫版あとがき
【目次】
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- 和書
- 薄妃の恋 - 僕僕先生