出版社内容情報
「婦人の魂の大部分を占めておった、日本の服装精神史がわかるであろうと思う」。
祖先が紡ぎ、織りなし、纏った、今は失われてしまった「きもの」とは?
柳田國男の薫陶を受けた女性民俗学者のパイオニアである著書が、生活のなかで着衣された普段着としての「きもの」とその背後にある民俗を丹念に掘り起こし描いた、着ることの生活文化誌。
【目次】
自序
しなぬの
一 東北のマダ/二 九州のヘラ
ふじ袴
一 栲布/二 藤布/三 イラの布
麻衣
一 麻を播く/二 糸こしらえ/三 糸宿/四 糸に撚る/五 麻に関する語彙
麻布から綿布へ
一 村人の麻布の生活/二 町の人々の木綿の生活
仕事着
一 上半衣と腕貫・手甲/二 下半衣と脚絆・甲掛/三 前掛/四 帯/五 袖なし/六 被りもの
服装問題の根底によこたわるもの
糸機の道
一 棉の由来/二 糸車のひびき
袖
寝具と寝室と、藁と綿
藁のふとん
一 藁の寝室/二 藁床/三 薦・筵・蓙・畳/四 床の間/五 藁入のふとん
服装と婦人の生活
一 仕事着のこと/二 生活と衣服/三 筒袖のはじめ/四 三角袖全盛へ
ボトの話
一 下着ボト/二 ハダコ/三 ボトとツヅレ/四 裂織/五 ボトの一覧表/六 針の目
晴着考
一 被りもの/二 肩衣と背守り/三 帯と襷/四 むすび
縞の話
一 女の子の遊び/二 編むこと/三 縞の話
昔の制服
一 産衣/二 七・五・三の祝着/三 元服/四 主婦のしるし/五 厄年のきもの/六 被り物・帯・袴に関する語彙
農服研究とその資料
一 蒐集のために/二 着物の形とはたらき/三 きものの名称/四 技術/五 着る心
再刊のあとがき
解説 当事者性の民俗学 [畑中章宏]
索引
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- 和書
- 追憶のホアビン