出版社内容情報
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」。無常を語る冒頭で有名な『方丈記』。
源平の争乱という激動の時代、下鴨神社の社家に生まれながら、父の早世により不遇のまま出家遁世した長明は、実家を出て妻子も持たず、心の平安を求めて、縮小ばかりのつらい坂を転げおちる。優れた歌人であり管弦の名手であった長明が、理想の住まいを求めて、日野の山中に庵を構えて到達した「閑居の気味」とは。
京の都でうち続いた、五大災厄(大火、辻風、都遷り、大地震、飢饉を目の当たりにし、生きづらい世を嘆きつつも、どこか微笑とゆとりも忘れない都人の精神。先の見えない不安の時代だからこそ読み継がれたい、日本古典屈指の名随筆を、第一人者による校訂本文・大意・原文、解説を含めた珠玉のエッセイで味わう。
*京都新聞で連載されたエッセイをもとに新たな着想で全面的に書き下ろされた文庫版オリジナル。
【目次より】
はじめに
序章 『方丈記』概観
第一章 ユク河ノナガレと〈無常〉観のイントロ
第二章 「世の不思議」と「予(われ)」のこと
第三章 私の人生と住まいの記
第四章 「閑居の気味」と「三界唯一心」
第五章 終章――自問自答と念仏と
解説――読書案内をかねて
参考文献等一覧
『方丈記』関連地図
鴨長明関連略年譜
おわりに
内容説明
源平の争乱という激動の時代、下鴨神社の社家に生まれながら、父の早世により不遇のまま出家遁世した長明は、実家を出て妻子も持たず、心の平安を求めて、縮小ばかりのつらい坂を転げおちる。優れた歌人であり管弦の名手であった長明が理想の住まいを求め、日野の山中に庵を構えて到達した「閑居の気味」とは。京の都でうち続いた、五大災厄(大火、辻風、都遷り、大地震、飢饉)を目の当たりにし、生きづらい世を嘆きつつも、どこか微笑とゆとりも忘れない都人の精神。先の見えない不安の時代だからこそ読み継がれたい、日本古典屈指の名随筆を、第一人者による校訂本文・大意・原文、解説を含めた珠玉のエッセイで味わう。
目次
序章 『方丈記』概観
第1章 ユク河ノナガレと“無常”観のイントロ
第2章 「世の不思議」と「予」のこと
第3章 私の人生と住まいの記
第4章 「閑居の気味」と「三界唯一心」
第5章 終章―自問自答と念仏と
著者等紹介
荒木浩[アラキヒロシ]
1959年生まれ。京都大学大学院博士課程中退。博士(文学)。国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授。専門は日本古典文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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