内容説明
一切衆生悉有仏性(一切衆性はことごとく仏性を有す)。一切の衆生とは何か、仏性とは何か、有すとはどういうことか。はたしてすべての人にほとけになれる本性が具わっているのか。日本仏教に根本的な影響を及ぼした仏性思想を明快に説き明かした名著。「如来蔵と仏性」「如来と如来蔵」「如来蔵思想と密教」「道元の仏性論」「生死はほとけの御いのち―道元に学ぶ生死観―」など世評高い論考を収録。
目次
1(如来蔵と仏性;仏性の話;一切衆生悉有仏性;如来と如来蔵)
2(如来の出現;宝性論入門)
3(如来蔵思想と密教)
4(道元の仏性論)
5(悉有仏性・内なるホトケを求めて;釈尊の原像;生死はほとけの御いのち―道元に学ぶ生死観;本証妙修ということ)
著者等紹介
高崎直道[タカサキジキドウ]
1926年東京に生まれる。1950年東京大学文学部哲学科(印度哲学専攻)卒業。駒澤大学助教授、大阪大学助教授、東京大学文学部教授、鶴見大学教授、同学長を歴任。東京大学名誉教授、鶴見大学名誉教授。文学博士。2013年歿。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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非実在の構想
3
仏性とは空=縁起=法身という解釈で良いのだろうか2019/11/14
尾斗
1
一切衆生、悉有仏性。仏性とは何か。如来蔵との関係から、宝性論から、密教から、道元からと様々な面から、平易に解説されていて読みやすい(講演の筆記という故もあると思う)。しかし仏性とは何なのか、簡単なようで大変難解と言うことがわかった。それは仏の種であり、仏と成る可能性であり、法身であるが、その「有無」を問題とするのは「これ倉卒なり」と言うことらしい。しからば仏性とはどう向き合えば良いのだろうか。狗子に還って仏性有りや、也無しや。2020/11/15