内容説明
朱子学(林羅山等)から古義学(伊藤仁斎)・古文辞学(荻生徂徠)、さらに折衷学へという過程を辿った日本儒学思想史は、中国における「大礼の議」事件(1521‐24年)による朱子学の衰退からその後の明清考証学の発展と軌を一にしたものであることを、林家・古義堂・徂徠学派など諸派の舶来書籍による経書受容と各学塾の活動から詳細に分析して跡づけ、“儒学の日本化”という従来の定説とは異なる江戸思想史像を提示する。
目次
第1章 「大礼の議」事件以降の明代思想世界と近世日本儒学の始動(「大礼の議」事件と明代後期の思想動向;東アジアにおける「大礼の議」事件の波紋と明代学問思想の東伝;まとめ)
第2章 経書の「読み方」から見る十七世紀末~十八世紀初めの日本儒学(林羅山・林鵞峰の経書研究と近世初期日本儒学の様相;伊藤仁斎の経書研究―「四書」に対する問題提起;明代経学の学習と古義学的経書理解の成立;まとめ)
第3章 荻生徂徠と十八世紀における儒学「知」の普及―明代復古・考証思想との関わりを中心に(徂徠の言語研究と十八世紀前期日本の言語研究;古文辞学における明代復古思想の受容;古文辞学の経書解釈と明代考証経学の受容;まとめ)
第4章 「反徂徠」という思想空間と学問世界の明清交替(「反徂徠」を掲げる人々―明代学術の吸収と反芻;「反徂徠」のなかに見る古学の新たな展開―五経研究の深化;「折衷」と「考証」―十八世紀後半の日本儒学のゆくえ;まとめ)
第5章 近世的思想空間と学問集団の形成(近世初期の学問空間の成立;共同活動による学知の共有と伝承―古義堂の事例から;学塾における「体験」と地方における学問集団の形成;まとめ)
著者等紹介
石運[セキウン]
1992年、中国・重慶市生まれ。立命館大学大学院文学研究科人文学専攻日本史学専修博士後期課程修了。博士(文学)。現在、重慶大学外国語学院講師。専攻―近世日本思想史・東アジア思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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