内容説明
伊勢物語、源氏物語、万葉集など古典作品との関わり。大坂騒壇や京都や江戸の雅文壇との交流など、秋成の動向、時代性、環境までを視野に入れ、秋成研究の豊穣な地平を切り拓く。
目次
第1部 秋成の物語の再検討―古典の受容と当代性と(『源氏物語』への眼差し―秋成の物語と物語論;『世間妾形気』と古典―巻一‐一「人心汲てしられぬ朧夜の酒宴」を中心に;『雨月物語』の当代性―夢占と鎮宅霊符;「二世の縁」論―「いといぶかしき世のさま」の解釈をめぐって)
第2部 『癇癖談』と大坂騒壇(物語の変容―『癇癖談』の位置;『癇癖談』の読者たち;大坂騒壇の中の秋成―秦良と秋成;高安蘆屋をめぐる諸問題―藤井紫影旧蔵『万匂集』を起点として;「鶉居」と「洛外半狂人」―退隠前後の秋成)
第3部 秋成の和歌と和文と(秋成と江戸歌壇―『天降言』秋成抜粋本をめぐって(付、翻刻と解題)
雪岡覚え書き―『筆のさが』周辺
秋成歌集『秋の雲』考―冒頭部における諸問題
『藤簍冊子』巻六「こを梅」をめぐって
秋成発句「けふぞたつる中納言どのゝ粥柱」考―正親町三条公則と秋成)
著者等紹介
近衞典子[コノエノリコ]
お茶の水女子大学文教育学部卒業。同大学院人間文化研究科(博士課程)中退。同大学助手、昭和学院短期大学助教授を経て、駒澤大学文学部教授。博士(人文科学)。専門は日本近世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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