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- > 日本の哲学・思想一般(事典・概論)
内容説明
膨大な寺院資料の発掘と悉皆調査、多様な学問分野の協力と新しい方法・知見の導入、東アジア海域交流下でのグローバリズムとナショナリズムの交錯―進展著しい中世思想研究の成果とその豊穣な世界観の提示。人間間の倫理・法体系の成立から死者や神仏など他者との領域まで新しい中世思想史の複合的展開。
目次
総論 中世の思想
中世日本の世界像
中世の仏教思想
法と歴史認識の展開
武士の倫理と政治―中世の「道理」をめぐって
無常観の形成―和歌の果たした役割
文芸と芸能の思想―狂言綺語としての文芸・芸能
禅林の思想と文化
神道の形成と中世神話
物語としての政治史―『太平記』を中心に
戦国思想史論
著者等紹介
末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。国際日本文化研究センター教授。仏教学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
10
今まで近世、古代、近代と読んできて間を空けての4冊目だが、一番とっつきづらかった。やはり中世思想は難しく、途中かなり読み飛ばす結果になった。外来の仏教や律令制を変容させつつ、武士の倫理や神道などを発展させていった流れを、説話や歴史書などとも絡めて理解する必要があり、他の時代に比べても、もう少し基礎的な学習の必要を感じた。2022/08/03
陽香
2
201207302017/07/10
しく
1
菅野覚明氏、武士の倫理と政治。武士の独自の倫理観から出発し、成文法的性格を持つ御成敗式目発展していく過程の解説は堪りません。 武士の、己を正確に評価されたい欲求、僅かにでも多くも少なくもなく力量を正確に評価される事を望む倫理観を元に、個人的主観的裁量を超越した公的な裁量を求めるに至る精神史的解説も素晴らしい。2014/04/16
マウンテンゴリラ
0
中世といえば、差別、戦争、貧困といった負のイメージで捉えられ、思想的にも封建社会、天皇の神権を支える類のものが中心で、その反動として民衆には現世に対する諦めと来世への希望としての新仏教が普及した、と、つい最近まで信じていた自分にとって、本書の個別内容については少しハードルが高すぎたと言えるかもしれない。→(2)へ2013/05/20