内容説明
朱子学への峻烈なコミットと、垂加神道の開祖としてナショナリストの気概―近世という時空において二つの問題を引き受けて一致させようとした日本思想史上の巨星の著作を丹念に読み解き、その思想がもつ強度と深度を描き出した本格的入門書。
目次
第1部 闇斎の時代=闇斎の課題(正統と異端;幕藩政治との関わり)
第2部 自己中心性の克服=思想の展開(「心」の確立;神道;「日本」)
著者等紹介
田尻祐一郎[タジリユウイチロウ]
1954年茨城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東海大学文学部教授。専攻は日本思想史(近世儒学・国学・神道)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
3
何かしみじみいい本だった(笑)同時代や時代背景に目配りしながらも、あくまでも闇斎という一個の「求道者」の内面にひたすら目をこらす筆者の眼差しが温かい。ちょうど、闇斎が朱熹の言葉の海に深く沈潜し、その言葉たちを自分のものにしようとする、切実で孤独で、それ故に己れを語ることではひどく寡黙な、思索の営みに似ているようにも思う。厳格で峻烈なエピソードが引かれることの多い闇斎の、豊かjな人間性を垣間見ることの出来る交遊や日常の一コマも描かれていて、改めてこの人が好きになったし、もっと知りたいと思わせてくれた。2014/09/05
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
0
闇斎について調べるのに読んだ。何気なく読んだけれど、ものすごく面白かった。とりわけ、闇斎の幕府解釈。「守られるべき」朝廷との関係の中で、素戔嗚、猿田彦を用いた闇斎解釈の説明。闇斎の、一見すると、融通効かないんじゃないかっていう、主君への絶対的忠誠が実際に意味するところがわかりやすくって。しかも、最後に、闇斎研究に関する文献を筆者の解説付きで載せているってのが。どんだけいい人なんだよ、田尻先生www2011/06/07
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