内容説明
幕末明治の激動期を生き抜いた一人の農民女性の生涯を残された史料に即して丹念に追い、歌人・妻・母・養蚕家・平田門人・勤王家といったさまざまなアイデンティティをもったその姿を首尾一貫した「人生の展開」に押し込めることなく、葛藤と矛盾を孕んだ「人生の迫力」として描き出す。歴史の“常識”的見方に挑戦し、既存の“明治維新史”の解体と再構築を迫る待望の翻訳書。
目次
1 伊那谷での生活(歌人としての自己形成;結婚生活 ほか)
2 京都、一八六二‐一八六三(秋の嵐山;宮中の百姓女 ほか)
3 多勢子と明治維新(京を離れて;明治維新直後の京へ ほか)
4 現代における多勢子(晩年の多勢子;多勢子についての追憶)
著者等紹介
ウォルソール,アン[ウォルソール,アン][Walthall,Anne]
1946年、米国ワイオミング州ララミ生まれ。1969年ウィスコンシン大学日本語学・文学科卒業。シカゴ大学大学院に進み、1973年東アジア史修士号取得。1979年日本史Ph.D.取得。ユタ大学準教授を経て、1991年よりカリフォルニア大学アーヴァイン校歴史学科教授。また、お茶の水女子大学・明治学院大学・国際基督教大学などの客員教授を歴任。専攻、日本近世民衆史・女性史。近年の主要なテーマは江戸城の大奥研究
菅原和子[スガワラカズコ]
1938年東京都生まれ。中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(政治学)。現在、中央大学社会科学研究所客員研究員。日本政治思想史専攻
田崎公司[タサキキミツカサ]
1958年福島県生まれ。東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得修了。大阪商業大学経済学部助教授。日本経済史・民衆史専攻
高橋彩[タカハシアヤ]
1967年福岡県生まれ。ロンドン大学博士課程修了(Ph.D.)。北海道大学留学生センター助教授。近現代女性史専攻
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