内容説明
怪異、呪い、折檻、監禁…。原文と口語訳、語注に解説を加えた18篇のミステリーが、「不思議の世界」へ案内します。
目次
殺されたふたりの女商人―『西鶴諸国ばなし』巻二の五「夢路の風車」
狐が化けた女―『西鶴諸国ばなし』巻三の四「紫女」
一生にただ一人の男―『西鶴諸国ばなし』巻四の二「忍び扇の長歌」
首のミステリー―『西鶴諸国ばなし』巻五の六「身を捨てて油壷」
少女と異人殺し―『本朝二十不孝』巻二の二「旅行の暮れの僧にて候」
娘たちの悶死―『本朝二十不孝』巻三の一「娘盛りの散り桜」
崩壊する家族―『本朝二十不孝』巻四の二「枕に残す筆の先」
奈落の底にさそう昼舟―『懐硯』巻一の二「照を取る昼舟の中」
呪いの絵姿―『懐硯』巻三の五「誰かは住し荒屋敷」
猿はなぜ自殺したか―『懐硯』巻四の四「人真似は猿の行水」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
沼田のに
1
「なしてこんな本を予約したんだろう」と図書館のHPの予約リストを見て思った。たぶんマウスの手元が狂ったんだ。せっかくだからと本が着たから眺めたらなんと、あらすじみたいな18話が右ページ原文、左が現代文に翻訳されたページで下に注釈と各話の後に解説になってて、これはいかにもジャンルがちがう。人物描写もへったくれもないあらすじでは感動も共感もなくて場違いな所へ踏み込んだみたい。「口は禍の門」というのが収録されてるけど、偶然佐藤雅美の町医北村宗哲シリーズの「口は禍の門」を近く読む予定。1/102014/03/26
長良
1
せっかく右ページに原文が載っているのについ現代語訳のほうだけで読んでしまった…。井原西鶴というと昔なイメージですが、人間の心情はそう今と変わらないような気がしました。2011/09/24
lagopus55
0
「色」と「金」の作者とみられがちな井原西鶴。その西鶴の多様性をミステリーと言う切り口で書いた本。しかし、この西鶴というおっさん、食えないおっさんです。また、そこがいいんですけど。「人はばけもの、世にない物はなし」と縦横無尽、下手な新聞の三面記事や週刊誌を読むよりおもしろい。「放蕩息子が心機一転、故郷に錦のはずが…」「無実の罪で殺された召使いが祟って…怪談?」「猿と人間、どっちが情け深い?」などなど 左右見開きで、右が原文、左が現代語訳、脚注が下に配置してありますが、行間が広く読みやすい。2007/07/19
じゅうさん
0
世には面妖なることあり。