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内容説明
日本と西洋の狭間で分裂した自己をあえて“二元性”のままとどめて発展させた、近代史上稀有な思想家のパトグラフィー。
目次
第1章 出会いと別れ
第2章 「いき」の現象学
第3章 永遠を求めて
第4章 偶然性の哲学
第5章 偶然から自然へ
第6章 形而上学としての詩学
著者等紹介
田中久文[タナカキュウブン]
1952年埼玉県に生まれる。東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院倫理学専攻博士課程修了。現在、日本大学教授。文学博士。専門、倫理学・日本思想史・日本文化論
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感想・レビュー
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じょに
2
九鬼周造の研究書。解説かな。九鬼周造は『いきの構造』だけ、むかーしむかしに読んだ(ほとんど覚えてないが)記憶がある。無根拠であることに絶望せず希望を持つためには。バロンかっけーと素直に思ってしまった(似たような感じでレーヴィットもかっこいい)。しかし、昭和初期にこの発想は、広く共有されていたのではないかと思う。この時代に広くニーチェが参照されまくっていることからしても。多分同じ様なことを言ってるのに、ドゥルーズはよう分からんのにこっちはよう分かる不思議。2009/05/01
ppp
1
僕自身は、有名な『いきの構造』ではなく、『偶然性の問題』をはじめとする、九鬼の持つ偶然性の問題意識から手にとった。解説として、ややもすると煩雑な『偶然性の問題』内の思想を平明に表現していると同時に、九鬼の経歴全体の視点から、われわれの情念と偶然性が結びつけられており、なかなか興味深かった。一方、この視点は、ヒュームにもハイデガーにも通じるものであり、必然性と偶然性の問題は、(パスカルやド・ラ・メトリなどの決定論者を除いて)思ったよりはるかに難しい問題だなと実感する。2013/03/18