- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
会員制情報誌『ベルダ』に18年に渡り連載したコラム全217本を採録。西部イズムのすべてが詰まった評論集。
目次
歴史こそが様々な観念にとっての平衡の支点なのだ(1999・8)
企業家精神は「向こう見ず」のことではない(1999・9)
思想の曲芸師「諭吉」の教えるもの(1999・10)
「改革」が「臨界」をもたらした(1999・11)
指導者たるもの言葉づかいに注意されよ(1999・12)
アメリカの幼稚な帝国主義(2000・1)
サイボーグに宣戦布告せよ(2000・2)
「憲法調査会」のみっともない及び腰(2000・3)
「専門人」による言葉の破壊(2000・4)
政権交代にみる時代精神の「縮小均衡」(2000・5)〔ほか〕
著者等紹介
西部邁[ニシベススム]
1939年北海道長万部町生まれ。東京大学経済学部在学中に全学連中央執行委員として60年安保闘争に参加するが、後に左翼過激派と訣別。横浜国立大学助教授、東京大学教養学部助教授を経て東京大学教授に就任、88年に辞職。日本の保守論壇を代表する評論家、思想家として執筆活動を続け、テレビなどでも活躍。言論月刊誌『発言者』主幹、後継誌『表現者』顧問を務めた。『経済倫理学序説』(吉野作造賞)、『生まじめな戯れ』(サントリー学芸賞)、『サンチョ・キホーテの旅』(芸術選奨文部科学大臣賞)など著書多数。2018年1月に自裁(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
station to station
2
1999年から2004年頃の西部邁の評論を収録した書。この時期、著者の批判の矛先は小泉構造改革とアメリカ主導のイラク戦争へと向けられている。前者は日本が築いてきた危機に対処するための人間組織を破壊し、過度の市場主義が公共活動の衰退と社会の不安定化を招くとして警鐘を鳴らす。また後者については、明らかにアメリカの侵略戦争であるため(実際にイラクで大量破壊兵器は見つからなかった)、絶対に加担してはならないという。いずれにしても、著者は当時の保守派の論調に真っ向から対立し、孤独な論陣を張っていたことがわかる。2020/01/13