内容説明
近代初期に引受信用と預金銀行業によって覇権通貨となったアムステルダム銀行バンク・ギルダーと、産業革命金融を抑圧し、貿易金融と財政革命を支え、国際金融市場として発展したイギリス近代的信用制度の歴史は、信用貨幣と国家の関係を明らかにすると共に、MMTや新通貨学派やグレーバー『負債論』の国家貨幣論を批判する。
目次
第1章 L.R.レイの現代貨幣理論(MMT)への疑問
第2章 為替手形・預金通貨・銀行券―インガムの資本主義的信用貨幣論への疑問
第3章 為替手形と初期預金銀行の歴史的意義
第4章 「貨幣の世界システム」の成立―資本主義的信用貨幣制度の起源
第5章 貨幣と国家―近代イギリスの事例に寄せて
第6章 国家は信用貨幣を廃止できるのか―新通貨学派の信用貨幣批判に寄せて
あとがき―グレーバー『負債論』における貨幣論への疑問
著者等紹介
楊枝嗣朗[ヨウジシロウ]
1943年生。佐賀大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。