内容説明
世界は約百年前のスペイン風邪以来の大きな感染症危機にみまわれている。欧州の国々はEUという統合体を作ったために、加盟国とEUの双方向からの対処がなされている。本書はEU本体との豊富な外交実務経験も有する編著者、欧州現地での研究・駐在歴を持つ第一級の執筆陣が新型コロナ危機への欧州の取り組みをわかりやすく立体的に描いている。
目次
第1部 EUレベルでの動き(コロナ禍と初動期のEU国境管理―EU市民権と連帯の行方に焦点を当てて;新型コロナ危機の欧州経済への影響とEU経済政策;新型コロナ危機とEU統合―試練による統合強化の展開)
第2部 EU加盟国と英国による対処(イタリア:状況認識後の対応に注目;ドイツ:EUにおける役割の重要性;フランス:試練のマクロン体制とEU連帯の追求;スウェーデン:独自路線とEU協調との狭間で;ベルギー:連邦制の下での独自の対応;ハンガリー:我々は今,民主主義と戦争の間にいる;ポーランド:新型コロナ対策から見えるポーランド政治の特徴;バルト3国:EUの「傘」とロシアの脅威による地域協力の変容;英国:変化を加速させた新型コロナ危機)
第3部 国際秩序の変動と欧州統合の展望(新型コロナと欧州統合の将来;コロナ後の国際秩序とEU)
著者等紹介
植田隆子[ウエタタカコ]
博士(学術、津田塾大学)。成蹊大学法学部助教授、国際基督教大学教授、東京大学大学院特任教授、外務省欧州連合日本政府代表部次席大使などを経て、香川大学法学部客員教授、2021年4月より上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科講師。ジュネーブ大学高等国際問題研究所客員研究員(1985‐87年)、ブリュッセル自由大学欧州研究所(ULB IEE)客員教授(2002年、2013年)、オーストリア国際問題研究所招聘研究員(2013年)など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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