内容説明
本書は、米国の通商政策の特徴を南北戦争と大恐慌で区切られる三つの時代に大別し、各時代を象徴する税収、輸入規制、そして互恵主義を優先する時代へと重心が移ってきた歴史を繙く。通商政策の変遷、政策立案者に直面し、制約を与えてきた歴史的状況、政治的プロセスから生まれた政策結果、およびそれらの政策の経済的帰結に影響を与えた経済的利害関係と党派的立場を、著者アーウィンは冷静に描き出している。現在の私たちが米国について知りたい内容の全てが書かれている。
目次
第1篇 税収(独立のための闘争、1763~1789年;新国家のための通商政策、1789~1815年;党派間の衝突と危機、1816~1833年;関税の安定と南北戦争、1833~1865年)
第2篇 輸入規制(関税改革の失敗、1865~1890年;保護主義の定着、1890~1912年;政策転換と漂流、1912~1928年;ホーリー=スムート関税と大恐慌、1928~1932年)
第3篇 互恵主義(ニューディール政策と互恵通商協定、1932~1943年;多角的貿易体制の生成、1943~1950年;新しい秩序と圧力、1950~1979年;貿易衝撃とその対応、1979~1992年;グローバリゼーションから分極化へ、1992~2017年)
著者等紹介
アーウィン,ダグラス・A.[アーウィン,ダグラスA.] [Irwin,Douglas A.]
コロンビア大学の博士課程で学んだ後に、大統領経済諮問委員会(1986‐87年)、連邦準備制度理事会(1988‐91年)でエコノミストとして勤務。その後、シカゴ大学ビジネス・スクール(1991‐97年)を経て、1997年にダートマス大学経済学部に移籍し現在に至る
長谷川聰哲[ハセガワトシアキ]
中央大学名誉教授。米国通商政策史研究会代表。元中央大学経済学部教授。関税等不服審査会委員(大蔵省、財務省)、通関士試験委員(財務省)、税関研修所兼任講師(大蔵省、財務省)、および(日本)国際経済学会理事など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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