内容説明
ここ50年間で、他のどの地域よりも際だった発展を遂げたアジアだが、世界的な貿易摩擦の激化、中国経済の成長力の弱まりなど、取り巻く環境は大きく変化している。地域全体で発展を遂げるアジアのダイナミズムは今後も維持されるのか。現在、最も勢いのあるベトナムを中心として、気鋭の研究者たちが様々な論点から検討する。
目次
第1部 アジア経済のダイナミズムと新展開(ASEANの経済統合:展開と評価;米中摩擦の拡大化と長期化―貿易戦争からハイテク戦争へ;「一帯一路」構想下のGMS経済回廊開発;マレーシアの工業化再考;外国直接投資と経済への波及影響―外資企業の投資効果・日系企業のデータから;社会の高齢化と東アジア;経済発展とサーキュラーエコノミー)
第2部 ベトナムの経済発展:特徴と今後の展望(生産性から見たベトナム経済の達成と課題;低位中所得国ベトナムと中所得の罠;ベトナムの経済発展とクローニー資本主義のトラップ;ベトナムの自動車産業とオートバイ産業―競争力獲得過程の考察;鋼材需要からみたベトナム経済発展の特質;多国籍化するベトナム企業―先発ASEAN企業に追随)
第3部 アジアの中のベトナム:学際的視点からの検討(中国の影響下で試されるASEANの強靱性;日本・メコン協力枠組みの概観;ベトナム和平と国連―国連事務総長ウ・タントの役割を中心に)
著者等紹介
山田満[ヤマダミツル]
オハイオ大学大学院国際関係学研究科修士課程修了、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学、神戸大学博士(政治学)。東ティモール国立大学客員研究員、埼玉大学教養学部教授、東洋英和女学院大学大学院教授などを経て、2009年4月より早稲田大学社会科学総合学術院教授。専攻は、国際関係論、国際協力論、平和構築論、東南アジア政治論
苅込俊二[カリコミシュンジ]
早稲田大学社会科学研究科博士課程修了、博士(社会科学)。株式会社富士総合研究所、日本貿易振興機構アジア経済研究所、みずほ総合研究所株式会社、財務省財務総合政策研究所、早稲田大学社会科学総合学術院などを経て、2019年4月より、帝京大学経済学部准教授、早稲田大学ベトナム総合研究所招聘研究員。専攻は、開発経済学、国際経済学、アジア経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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