内容説明
ウォール・ストリートは「大きすぎて潰せない」ゆえに政府に救済されさらに大きくなった。他方、メイン・ストリートの普通の人々は、所得の停滞、生活費の高騰、失業やローンに苦しみ、中間層から転落している。本書は、強大な経済力を持つウォール・ストリートが政治権力をも支配し、メイン・ストリートに苦境をもたらすメカニズムを解明する。
目次
第1部 ウォール・ストリートの権力(金融権力の基礎―巨大銀行とアメリカ経済;金融の復権―ウォール・ストリートによるワシントン政治の支配;大きすぎて潰せない(TBTF)―コンチネンタル・イリノイ銀行の救済を事例にして
仕組まれた経済―ポピュリズムとグラス=スティーガル法)
第2部 圧迫されるメイン・ストリート(アメリカン・ドリームの終焉―所得・資産格差と中間層の崩壊;学生ローン債務危機―受益者負担の理念と現実;乗っ取られる政府機関―消費者金融保護局の成功と金融機関の反撃)
第3部 グローバルな存在としての金融権力と金融規制(新たな金融寡頭制―グローバルなアメリカ金融覇権の生成;ノンバンクの巨大市場に切り込んだ日本―多重債務と改正貸金業法の成立;岐路に立つ国際金融秩序―リーマン・ショック後10年、懸念増す金融の不安定性)
著者等紹介
大橋陽[オオハシアキラ]
金城学院大学国際情報学部教授
中本悟[ナカモトサトル]
立命館大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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