内容説明
成長神話から一歩身を引き、博愛と自立に支えられた持続可能な社会構築をめざすフランスモデル、フランス経済をマクロの需要管理システムとミクロの供給面の両サイドから長期トレンドで見ていくと、多くのイデオロギーを複合したハイブリッドな経済体制の姿が見えてくる。フランス経済の耐久力、ばねのある内需主導型モデルこそ私たちはもっと知る必要がある。
目次
序章 フランス経済を日本とドイツの文脈のなかで考える
第1章 国民所得変動の少ない経済モデル―経済政策3大機能のひとつ、「安定」の重要性
第2章 フランス型ショック吸収の装置
第3章 労働者の社会的保護と労働市場の柔軟性の両立
第4章 高い出生率と複合家族の挑戦―フランスの出生率はどうして高いのか
第5章 ライフスタイルを反映する個人消費と金融資産
第6章 内需主導型経済を反映する国際収支―外需が経済に与える影響を「吸収」する仕組みを内蔵
第7章 ユニバーサル・バンキングと対外純資産
第8章 活況を呈する地域経済
第9章 フランス型産業国家を推進するエリート群像―ビジネス・グループ・リーダーの実像
第10章 どうしてフランスがドイツを超えるか―博愛と自立の持続可能な経済と「実は強い」経済の本質
著者等紹介
瀬藤澄彦[セトウスミヒコ]
帝京大学経済学部/大学院教授、諏訪東京理科大学非常勤講師、パリクラブ(日仏経済交流会)会長など歴任。早稲田大学法学部卒業。ジェトロ(日本貿易振興機構)アルジェー・パリ・モントリオール所長・次長、フランス経済財政産業省・対外経済関係局(DREE)米州東アジア部対日顧問パリベルシー出向など勤務。フランス国家功績勲章・オルドル・ナシオナル・ド・メリット・シュバリエ賞大統領叙勲。フランス貿易振興機構(UBIFRANCE)理事長・貿易貢献表彰・銀メダル章受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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