内容説明
サイモンの経営理論の核心は、限られた認知能力しかもたず、したがってその意思決定行動において制約された合理性しか実現できない人間が、どのようにして問題を解決し、目標を達成するのかという問題である。「管理人モデル」とよばれる人間観こそ、サイモン理論の出発点である。本書で取り扱われている問題は、このような人間の行う意思決定行動とその合理性という、サイモン理論の根本問題である。
目次
第1章 合理性についてのいくつかの考え方(理性の限界;価値;主観的期待効用;行動の選択肢;直観的な合理性;直観と情動)
第2章 合理性と目的論(合理的適応として考えられる進化;ダーウィン説モデル;社会的ならびに文化的な進化;進化過程における利他主義;進化という近視眼)
第3章 社会行動における合理的過程(制度化された合理性の限界;制度化された合理性の強化;公共情報の基礎)