出版社内容情報
《内容》 広島,長崎でほぼ半世紀に亘って続けられてきた原爆被爆者検診・治療,放射線障害に関する広範な調査・研究の成果を,治療・研究の第1線にいるメンバーが歴史的経過と今日の見解を集大成した.本書は後障害が顕著な疾患のみでなく,後障害が目立たない疾患,体内被曝,染色体異常,免疫能,遺伝,被曝線量の推定など原爆後障害を広範に解説しており,「被曝後半世紀の原爆白書」と呼ぶべき内容を持っている.2色刷 《目次》 総論 原爆放射線の人体影響1992 1.原子爆弾による物理的破壊 2.人体への影響 3.後障害各論 1.悪性腫瘍 1 原爆被爆者における癌死亡率 2a 白血病─発生頻度とリスク 2b 白血病─染色体異常などの臨床的特徴 3 胃癌 4 肺癌 5 甲状腺癌 6 多発性骨髄腫 7 大腸癌 8 皮膚癌 9 乳癌 10 子宮癌 11 甲状腺以外の内分泌腫瘍 2.良性腫瘍 消化管ポリープおよび婦人科的良性腫瘍等 3.内分泌代謝疾患 1 甲状腺疾患 2 副甲状腺疾患 3 糖尿病 4.血液・造血器疾患 5.精神神経系疾患 精神神経科的ならびに心理学的影響 6.眼科的疾患 原爆白内障 7.循環器疾患 8.呼吸器疾患 肺線維症 9.肝障害 10.婦人科的障害 11.皮膚疾患 ケロイド 12.骨・運動器疾患 13.胎内被曝 1 小頭症 2 原爆胎内被曝における死亡率と発癌率 14.染色体異常 1a 直接被爆者─末梢血リンパ球の染色体異常 1b 直接被爆者─骨髄細胞の染色体異常 2 早期入市者の末梢血リンパ球染色体異常 15.突然変異 1 被爆者における体細胞突然変異頻度調査 2 放射線感受性 16.免疫能への影響 17.成長と発育の障害 18.加齢と寿命 1 加齢 2 寿命 19.遺伝的影響 1 流早産,死産,奇形 2 被爆者の子供に対する染色体調査 3 原爆被爆者の子供における発癌率と死亡率 4 原爆被爆者の子供の生化学調査 20.被曝線量の推定 1 DS86 2 DS86とT65Dの比較 3 残留放射能 4 抜歯試料からの線量推定索引