出版社内容情報
《内容》 高血圧症の患者は典型的な慢性疾患患者であり,劇的に「治す」というより,いかにコントロールして行くか,すなわち「癒す」分野であり,それだけに診療の「質」が問われる.本書は「いかにコントロールしていくか」を実際の臨床に沿って解説し,より良き診療のために必要な基礎知識を随所にちりばめた. 《目次》 1.高血圧の疫学と実態2.高血圧の診断 1)高血圧の診断基準 2)血圧の評価-外来血圧,家庭血圧,24時間血圧3.高血圧の病態のとらえ方 1)高血圧の重症度把握のポイント 2)食塩感受性・非感受性高血圧とは? 3)血漿レニン活性・アンジオテンシンII測定の意義 4)血中および尿中カテコールアミン値からみた病態のとらえ方 5)インスリン抵抗性と高血圧 ☆心拍変動のスペクトル・非スペクトル解析からみた自律神経機能 ☆筋交感神経活動からみた高血圧の病態 ☆内因性ジギタリス様物質 ☆NOと高血圧 ☆ドパミン受容体と高血圧4.高血圧性臓器障害の成因とその臨床的意義 1)高血圧性脳血管障害 2)血圧日内変動と脳血管障害 3)高血圧性心疾患 ◆高血圧性肥大心と肥大型心筋症 ◆高血圧心の心機能 ◆高血圧性肥大心の冠循環 4)高血圧腎障害 ◆糸球体血行動態と腎障害 ☆IgA腎症と遺伝子多型5.高血圧性臓器障害に関する最近の知見 1)組織レニン-アンジオテンシン系の意義 2)ヒトキマーゼの役割 3)アンジオテンシII受容体の役割―高血圧臓器障害における最新知見 4)ナトリウム利尿ペプチドファミリーの役割 5)エンドセリンの役割 6)アドレノメデュリン(AM)とPAMP6.二次性高血圧の鑑別診断とその治療 1)二次性高血圧のスクリーニングの手順―問診,身体所見,検査所見 2)腎実質性高血圧 3)腎血管性高血圧(大動脈炎症候群を含む) 4)原発性アルドステロン症 ☆グルココルチコイド奏効性高アルドステロン症 ☆Liddle 症候群 ☆Apparent mineralocorticoid excess 症候群 5)Cushing 症候群,先天性副腎皮質過形成およびacromegaly ☆Preclinical Cushing 症候群 6)褐色細胞腫 ☆副腎偶発腫瘍7.高血圧の治療 1)治療指針 高血圧治療の進め方 ◆高血圧治療とQOL ◆J型curve現象はあるか 2)非薬物療法 生活指導の実際 ☆肥満,インスリン抵抗性とβ3アドレナリン受容体 ●アルコール摂取 ◆カルシウムおよびマグネシウム摂取 3)薬物療法 (1)薬物療法の進め方―大規模臨床試験の成績を踏まえて (2)降圧利尿薬の使い方 (3)β遮断薬の使い方 (4)カルシウム拮抗薬の使い方 (5)ACE阻害薬の使い方 (6)α1遮断薬の使い方 (7)降圧薬治療の実際 ☆T/P比の意義と問題点 ☆降圧薬とインスリン抵抗性 ●K+チャネルオープナー ☆1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬 ☆レニン阻害薬 ☆エンドセリン拮抗薬 ◆カルシウム拮抗薬ははたして安全か ◆降圧薬はやめられるか8.合併症を伴う高血圧の治療 1)脳血管障害を合併した高血圧 2)虚血性心疾患を合併した高血圧 ◆遺伝子多型と虚血性心疾患 ☆ミオシン軽鎖リン酸化阻害薬 ☆夜間血圧をどうするか 3)心不全を合併した高血圧 ◆慢性心不全におけるβ遮断薬療法 4)腎機能障害を合併した高血圧 ◆ACE阻害薬かカルシウム拮抗薬か 5)高脂血症を合併した高血圧 ☆高脂血症大規模臨床試験 6)糖尿病を合併した高血圧 ☆糖尿病性臓器障害とAGE9.特殊な高血圧の治療 1)小児高血圧の治療 2)妊娠高血圧の治療 3)老年者高血圧の治療 4)高血圧緊急症,悪性高血圧の治療 5)白衣高血圧を治療するか●:ワンポイントアドバイス ☆:トピックス ◆:論点
目次
1 高血圧の疫学と実態
2 高血圧の診断
3 高血圧の病態のとらえ方
4 高血圧性臓器障害の成因とその臨床的意義
5 高血圧性臓器障害に関する最近の知見
6 二次性高血圧の鑑別診断とその治療
7 高血圧の治療
8 合併症を伴う高血圧の治療
9 特殊な高血圧の治療