出版社内容情報
《内容》 医者がより良い臨床医になるのに必要なことは,病気を知る前に人間そのものを知ること,患者を理解することである. 本書は,著者の豊かな臨床経験と深い人間理解をベースにして,日々書き連ね,書き重ねられてきた金言集である.気軽に読める短い文章の中に,診療の現場で,検査の現場で,そして救急の現場で,また薬について,いつかどこかできっと役立つであろう実践的内容が含まれている.(以下,本文より抜粋)図書館や医学書店の棚には数多くの医学書が所狭しと並んでいる.また何十種類もの医学雑誌が洪水のようにせまってきている.このような膨大な情報に対し,医学は必然的に細分化され,医者は専門医の道をたどることでこれに対応してきた.しかし,医者の患者に対する基本姿勢はいつの時代も変わるものではない.日常診療において最も大切なことは医学情報の量ではない.必要なことは医学知識を生かすための知恵である. 《目次》 診療金言集 ◎診察は挨拶で始まる. ◎患者はベッドに横たわる. ◎大部屋では深刻な話をしてはいけない. ◎医者が悪いのではない,本人が悪いのでもない,病気が悪いのである. ◎ミスに対して嘘をついてはいけない. ◎問診では脅迫観念をもたせてはいけない. ◎右眼をみながら話す. ◎脳ミソだって病気になる. ◎低下する医者の直感力. ◎女性患者の生理を知っている医者. ◎婦長が変わると褥瘡が増える. ◎決定権は患者にある.よけいなおせっかいは医者のうぬぼれ. ◎医者が治しているのではない,治る力を助けているのである. ◎患者にとって主治医は一人でも,医者にとっては多数の中の一人である. ◎運動不足をいえば運動を勧め,運動過多をいえば安静を勧める. 他 診療雑言集 ◎命を預かる. ◎医者にとっては患者より家庭が大切である. ◎医者の家庭は無医村地区. ◎医者の不養生. ◎医者は聖職である. ◎病気を笑う者は病気に泣く. ◎患者,先輩こそ先生である. ◎白衣は聖衣である. ◎相対性理論とモナリザの微笑み. ◎医者と占い師の違いは科学的根拠の有無にある. ◎聴診器は飾りではない,また司祭の道具でもない. ◎世間にこびる教授は医者の敵. ◎本当の意味でのインフォームド・コンセント. ◎統計で嘘をつくことができる. ◎有意差は有意ではない. 他 検査金言集 ◎ハンマーをもつと叩きたくなる. ◎多少の異常は病気ではない. ◎剖検率の高さは病院の質を表す. ◎病理医はKing of doctor, Doctor's doctorではない. ◎医者の技術料は極端に低い. ◎病院経営学は周知の羞恥. ◎健康管理のための検査. ◎日本には存在しない病気. ◎やってはいけない検査,やっても意味のない検査. ◎検査が正しいとはかぎらない. ◎赤沈ほど奥の深い検査はない. ◎悪魔のささやき. ◎検査ではわからない生理的異常. ◎急性疾患は症状が強く,慢性疾患は検査異常が高度である. ◎出血直後には貧血はデータに出てこない. 他 クスリ金言集 ◎薬理作用としての医者. ◎値段の高いクスリほどプラシーボ効果が大きい. ◎効果のないクスリは投与しない. ◎多剤を用いた治療は危険である. ◎クスリは患者によって反応が違う. ◎新しい治療は,患者の了解のもとで試みなさい. ◎クスリの薬価は誰が決めるのか. ◎症状出現時の内服薬は必ず聞き出すこと. ◎慢性疾患に対するクスリはいつまで続けるのか. ◎不思議なクスリ,エリスロマイシン. ◎老人はクスリを中止すれば体調が良くなる. ◎精神安定剤の効力を説明しなさい. ◎クスリはもともと異物である. ◎副作用を知る上で薬品の添付文書は役に立たない. 他 救急金言集 ◎患者の重症度は数秒以内に判断せよ. ◎クスリは病院内で内服させ20分様子をみよ. ◎あなたが大将. ◎ムンテラは可能性の高い順に説明. ◎他科の先生とは日頃から仲良く. ◎患者は懐に訴状をもっている.訴えられる医者ばかり. ◎いってはいけない前医の悪口,いずれ自分にふりかかる. ◎ペンは剣よりも強し. ◎馬鹿じゃないの,能書の内容. ◎当直医,あなたは夜の院長先生. ◎起こされても怒るな.傷つくのは自分だけ. ◎無口な救急隊に愛をこめて. ◎救急は汗をかいてもスポーツではない. ◎手洗いは小学生でも知っている. ◎心停止,死亡宣告は5分待て. 他
目次
診療金言集(診察は挨拶で始まる;患者はベッドに横たわる ほか)
診療雑言集(命を預かる;医者にとっては患者より家庭が大切である ほか)
検査金言集(ハンマーをもつと叩きたくなる;多少の異常は病気ではない ほか)
クスリ金言集(薬理作用としての医者;値段の高いクスリほどプラシーボ効果が大きい ほか)
救急金言集(患者の重症度は数秒以内に判断せよ;クスリは病院内で内服させ20分様子をみよ ほか)
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