出版社内容情報
《内容》 高圧送電線から生じる電磁界(電磁場)は人間の健康に影響するのか?本書は50~60Hzの磁界と発がんの関連性を検証した研究報告書.編著者はいずれも電磁界問題に長年携わってきたその道の権威である.この問題について従来の書籍がほとんど要点紹介にとどまっていたのに対し,本書では10年にわたる動物実験・細胞実験など世界初の実験をはじめ,磁界発生装置などの装置類の開発や実験動物の選定,その飼育,観察,病理解剖結果に至るまで,詳細な研究の全容を一般にも理解できるよう分りやすく紹介している. 《目次》 はじめに第一部 総 論 序 電磁界の健康影響についての研究の展望 1.電磁界の健康影響 ―影響はあるのか,あるとすればどのくらいか― 2.電磁界の生体影響 3.神経系・内分泌系に関する研究 4.生活環境における電磁界 ―生体の曝露に関係する電磁環境とその評価法― 5.培養細胞を用いた電磁界の遺伝子への影響 ―京都大学における実験研究―第二部 各 論 序 電磁界の生物影響実験研究 ―50~60Hz磁界とがんの関係を中心に― 1.電磁界影響問題の展望 2.がん原性実験 2-1 研究の目標 2-2 ラットを用いたがん原性実験 2-3 マウスを用いた継世代がん原性実験 2-4 マウスを用いた白血病促進実験 2-5 マウスを用いた生殖影響実験 2-6 実験の評価 3.遺伝子影響実験 3-1 研究の目標 3-2 ショウジョウバエを用いた1世代遺伝子影響実験 3-3 ショウジョウバエを用いた40世代遺伝子影響実験 3-4 ヒトの白血球を用いた染色体異常誘発実験 3-5 ラットの細胞を用いたカルシウム影響実験 3-6 ヒトのがん細胞を用いた増殖影響実験 3-7 実験の評価 4.実験設備 4-1 概要 4-2 動物実験用設備 4-3 ショウジョウバエ用実験装置 4-4 実験設備の評価用語解説索引
内容説明
このほど、編者ら自身および編者らが指導、助言して進めてきた一連の研究計画をほぼ終了し、当初設定した研究目的を達成した。これらの研究は極めて高い学術的成果をもたらしたと自負し、集大成として本書を刊行することになった。本研究のすべての実験から、日本人の居住環境中に存在する電磁界が人体に有害であることを示す結果は得られなかった。
目次
第1部 総論(電磁界の健康影響―影響はあるのか、あるとすればどのくらいか;電磁界の生体影響;神経系・内分泌系に関する研究;生活環境における電磁界―生体の曝露に関係する電磁環境とその評価法 ほか)
第2部 動物および細胞を用いた実験(電磁界影響問題の展望;がん原性実験;遺伝子影響実験;実験設備)