出版社内容情報
《内容》 近年医学教育において,minimum requirement(最小必要事項)が検討されている.年々増加する過多ともいえる情報から,医学を習得するために最低必要な知識を選びだして学生諸君に教えこもうとする.しかしながら単に知識を身につけただけでは,未知の問題に対処することはできない.生理学の論理を身につけたときに,生理学の知識に基づいて,そのメカニズムを推論し問題を解決し,あるいはその手掛かりを得ることができる.本教科書は,このような要求に答えるべく編集された.記述は各項とも次の順によっている.1.[基本的事項]minimum requirementを解説.2.[トピックス]それぞれの執筆者が専門とする領域での最新の知見が紹介されている.最先端の知識,研究の熱気,将来への展望を読みとることができる.3.[病態生理]「異常から正常を知る」ことは,医学研究の基本である.生理学が臨床医学で果たす重要な役割を理解することができる.本教科書は,医学を初めて学ぶ学生諸君・大学院生・若手研究者はもとより,臨床に携わって生理学の重要性に思いあたり,生理学を学び直したいと望んでいる方々にも役立つよう編集された.特に[トピックス]や[病態生理]は身近に感じられるよう工夫されている.2色刷,図926点 《目次》 9章 循環 A.心臓の構造,心筋 B.心臓のポンプ作用 C.心臓の律動性と興奮伝導 D.心電図およびベクトル心電図 E.循環系の構造と循環動態 F.循環調節 G.特殊領域の循環 H.リンパ間質液循環 I.脳脊髄液循環10章 呼吸 A.肺換気 B.ガス交換 C.呼吸運動の神経性および液性調節11章 血液 A.血液成分,赤血球と白血球 B.免疫 C.血液型─輸血 D.凝固・線溶12章 消化器 A.消化管運動 B.消化液分泌 C.消化と吸収 D.肝・胆道の生理13章 栄養・代謝・体温 A.栄養 B.代謝 C.体温とその調節14章 内分泌・生殖 A.総論 B.下垂体前葉 C.下垂体後葉 D.副腎皮質 E.甲状腺 F.膵 G.上皮小体─カルシウム─骨─ビタミンD H.男性ホルモン I.女性ホルモン J.液性相関の生理 K.女性生殖機能 L.男性生殖機能15章 泌尿器・体液調節 A.腎 B.排尿 C.体液とその調節引用文献索引