内容説明
八雲の遺伝子が脈々と息づく気韻に富んだ小泉時の文章は、決してできあいの作家論ではなく、身内の立場から八雲を知悉した圧倒的な説得の力に漲っている。それに続く吉村純司、植田卓、鏡味國彦、東郷登志子、宮内沙耶子、高麗俊介、高橋智朗、小坂克信の論稿は、いずれも批評家としての矜持を問いかけている。
目次
特別寄稿 身内から見た小泉八雲―八雲没後100年にあたり
学術論文(『ドラキュラ』―ドラキュラは誰だったのか?;企業統治改革における最近の日米の議論とその異同;「世紀末」イギリス文学と大正期の文壇―シモンズとワイルドの影響について;岡倉天心の文学的二元性―The Book of Teaに見る東西融合の巧み;A Study of the Attitude of Mind and English Intonation Used in Titanic;祈りの一側面;ジェロームの機械文明批評―Novel Notes“The Dancing Partner”を中心に;食文化を支える技術―ポルトガルと日本の水車を中心に)