内容説明
本書はウェーバーの自由主義の伝統と、近代主義の文化批判を軸にして、経済、政治、法、宗教の領域にわたる現代社会の諸問題とウェーバーとのかかわりを社会学的に明らかにしようと意図されてものである。
目次
1 社会学、個人主義、自由主義
2 マックス・ウェーバー、オーストリア経済学、新右翼(ニュー・ライト)
3 近代主義、脱近代主義、世界宗教―マックス・ウェーバーの宗教社会学の諸問題
4 法、道徳と現代社会―合理化の過程
5 現代資本主義における地位政治
6 階級分析の将来―マックス・ウェーバーと、ゲマイシャフト的階級理論に対する自由主義の挑戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
d0g_ville
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「法は、土台[下部構造]を規制するだけではなく、実際には生産関係の一要素でもある。このように法は、社会的生産関係を反映するというよりはその要件である。」「法、貨幣、市場は、疎外の尺度でもあり、予測不能の素朴な交換の世界からの個人の解放の尺度ともなる。貨幣と法は、文明も疎外も計量するわけである。それゆえこの社会的安定性は、犠牲を払って手に入れたものである。」「地位ブロックは階級間にまたがっており、必ずしも階級現象に裏付けられているわけではない政治的存在として組織される柱であるといってよい。」2013/01/08