目次
第1章 神(方法;統一的学の理想;デカルトの形而上学;スピノザの形而上学;定理一四の論証 ほか)
第2章 人間(精神と身体の実在的区別;実体的合一;スピノザの人間学;並行論;並行論を超えて ほか)
第3章 人間の幸福(哲学の樹に登る;デカルトの情念論;松果腺と葛藤;情念の分類;自然学者としての情念論 ほか)
感想・レビュー
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しお
1
著者は著作集(英訳)の編纂もしているというスピノザ研究の第一人者のようであるが、その人によるスピノザ概説書。「一元論的でありながら二元論的である」というベネットの二重的なスピノザ理解を「形式的に同一である主張でも別の信念によってものされる場合には実質を異にする」という観点によって擁護する。一貫してデカルト(orホッブズ)説対スピノザ説の対話で構成されており、それがエチカの復元でありながらまったく別様な(一元論的でありながら二元論的であり、かつ幾何学的構成を通り越した)エチカを生み出すことに役立っている。2020/01/23