内容説明
戦後五十年間の部落問題はその時々の課題が解決されないままに、そのほとんどが「現在(いま)」の問題、あるいは課題として生きている。たとえば比喩として使われた「特殊部落」という言葉は「差別の実態」が現存している段階においては差別の意味を持ち得た。しかしその実態が解決した現在、それは部落に対する偏見を示したり助長したりするものではないし、その働きもない。歴史は発展しているのだ。…現在の部落問題を解決するということは、この五十年間に「混在」してきた社会問題を解決するということである。
目次
序章 この本にかける思い
第1章 戦後初期の部落問題
第2章 部落問題解決への初動
第3章 国民の取り組みへ
第4章 逆流に対するたたかい
第5章 国民融合をめざして
第6章 「総決算」の季節