出版社内容情報
“象徴天皇”の外遊はどのようなプロセスをへて実現したのか
1971年の欧州訪問と1975年の米国訪問。全く性格の異なる2つの天皇外遊はどのようにおこなわれたのか。
当時の国際情勢、国内政治状況、準備プロセスなどの分析、関係者の回想・証言などにより、その実像を明らかにする
■1971年の欧州訪問は……
・皇太子時代に訪れた欧州各国の思い出の地を再訪する旅
・各国王室や元首との交流を通じ、政治性の薄い“象徴天皇”を国際社会にアピールした
・かつての交戦国は天皇の訪問をどう受け止めたのか
天皇の乗った車にものが投げつけられたり罵声を浴びた/高度経済成長している戦後日本への警戒感からメディアは「経済侵略」と非難した/英国の晩餐会ではエリザベス女王が日本の負の遺産を指摘するスピーチ/江戸時代から友好的だったオランダでの強い反発に日本政府は衝撃を受けた
・アンカレッジでニクソン米大統領と会談後、デンマーク、ペルギー、フランス、イギリス、オランダ、スイス、西ドイツの各国を訪問
■1975年の米国訪問は……
・日米貿易摩擦、基地問題、中国問題など政治課題が山積するなかで政治性を帯びない訪米の実現は困難を極めた
・ウォーターゲート事件、田中金脈事件が発生し、宮内庁は天皇の政治利用を警戒、国会でも議論になった
・アンカレッジ経由でバージニア州に入り、ワシントン、ニューヨーク、シカゴ、西海岸、ハワイの各地を訪問
内容説明
“象徴天皇”の外遊はどのようなプロセスをへて実現したのか。1971年の欧州訪問と1975年の米国訪問。全く性格の異なる2つの天皇外遊はどのようにおこなわれたのか。当時の国際情勢、国内政治状況、準備プロセスなどの分析、関係者の回想・証言などにより、その実像を明らかにする。
目次
第1部 天皇の訪欧―センチメンタル・ジャーニーの現実(日英皇室交流の再開;ニクソンの日本訪問;万博開催と皇族の国際交流;天皇外遊へのプロセス;アンカレッジの会談;象徴天皇のヨーロッパ訪問)
第2部 昭和天皇の訪米―錯綜する政権の思惑―(混迷する天皇訪米問題;フォード大統領の来日;昭和天皇の訪米)
著者等紹介
波多野勝[ハタノマサル]
総合教育研究所代表、現代史研究家。1953年岐阜県生れ。慶応義塾大学法学部卒、同大学院修了、法学博士。日本外交史、国際政治専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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