出版社内容情報
気鋭の若手研究者が、戦争の原因(前著『進化政治学と戦争』)に次いで、進化政治学の視点で平和の原因を説明する。
?なぜ人間はデフォルト状態ではしばしば欺瞞の罠(ワクチン陰謀論、宗教原理主義、社会正義運動、ポリティカル・コレクトネス等)に陥ってしまうのか?
? 啓蒙が必要であることを示す「欺瞞の反啓蒙仮説」を提示
?なぜ世界は平和に向かっているのか。人類は理性と科学の力で合理的に進歩してきた。
? コンシリエンス(自然科学と社会科学の統合)の視点から進化政治学に基づいた新たなリベラリズム、「進化的リベラリズム」を提示
?どうすれば道徳の進歩は可能になるのか?
? 人間本性の欠陥をコントロールすることが啓蒙の本質にあるとする「啓蒙の反実在論仮説」と人間本性の適応上の利点を軽視した啓蒙は失敗する可能性が高いとする「進化啓蒙仮説」を提示する。
『進化政治学と国際政治理論』『進化政治学と戦争』に続く第3弾!
?進化政治学(evolutionary political science)とは
1980年代の米国政治学界で生まれた概念。進化心理学を中心とする進化論的視点から政治現象を分析する手法で、欧米では最先端だが、外交史研究が主流な日本ではほぼ皆無ともいえる状況。哲学、進化心理学、脳科学、歴史学といった諸分野の知見を総動員し、政治学を進化論的視点から再構築する。
内容説明
気鋭の若手研究者が、戦争の原因(前著「進化政治学と戦争」)に次いで、進化政治学の視点で平和の原因を説明する。
目次
序章 進化政治学に基づいたリベラリズム
第1章 進化政治学を再考する
第2章 政治学と人間本性―標準社会科学モデルと政治思想
第3章 修正ホッブズ仮説―進化的自然状態モデル
第4章 平和と繁栄の原因―進化的リベラリズム試論
第5章 進化的リベラリズムに対する批判―欺瞞の反啓蒙仮説
第6章 進化政治学と道徳―道徳の存在論テーゼと啓蒙の反実在論仮説
第7章 人間本性を踏まえた啓蒙―進化啓蒙仮説と人間行動モデル
終章 理性と啓蒙を通じた繁栄
著者等紹介
伊藤隆太[イトウリュウタ]
広島大学大学院人間社会科学研究科助教、博士(法学)。2009年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同大学大学院法学研究科前期および後期博士課程修了。同大学大学院研究員および助教、日本国際問題研究所研究員を経て今に至る。戦略研究学会編集委員・書評小委員会副委員長・大会委員、国際安全保障学会総務委員、コンシリエンス学会学会長。政治学、国際関係論、進化学、歴史学、哲学、社会科学方法論など学際的研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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