スパイクマン地政学―『世界政治と米国の戦略』

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  • サイズ A5判/ページ数 242p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784829507049
  • NDC分類 319
  • Cコード C0031

出版社内容情報

地政学、国際政治学の祖として著名なスパイクマンが書いた、戦後の米国国際政治学の原点となった古典的著作が初めて日本語版になった



「親日反ロ」の立場をとった米国でも稀有な学者スパイクマンの主著America's Strategy in World Politics: the United States and the Balance of Powerは、日本の真珠湾攻撃の3か月後の1942年に出版され、刊行と同時に当時の米国で高く評価された。世界地図と該博な地理の知識を駆使して戦後の世界情勢を予見した本書は、75年前の著作でありながら、現代の国際情勢を考えるための重要な示唆を与えてくれる。

●75年前、スパイクマンは……

ハートランド=ロシアの膨張による侵略を受けると警告

 →実際は……ロシアによるグルジア侵攻、クリミア併合、中国による海上覇権の活発な動き

1930年代米国の「介入主義か孤立主義か」の対外政策論争が半永久的に続くと予見

 →現在は……トランプの「アメリカ・ファースト」回帰



※約500頁の原書には、刊行された当時の経済状況や資源問題などにかなりの紙幅が割かれているが、現代の読者には不要と思われるため割愛し、スパイクマン地政学の核心部分を抄訳した

第1章 パワー・ポリティクスと戦争  (原著Chap.?)

権力の本質/国際関係におけるパワー/勢力均衡/戦争の本質(軍事戦、政治戦、経済戦、イデオロギー戦、総力戦)

第2章 新世界における米国      (原著Chap.?)

世界の大陸部/北米大陸/「アメリカ地中海」/南米大陸(南米西沿岸、南米東沿岸)/米国のパワー・ポジション(北米圏、「アメリカ地中海」ゾーン、南米ゾーン)/西半球における勢力均衡

第3章 「アメリカ=太平洋」ゾーン   (原著Chap.?)

オーストラリア大陸/「アジア地中海」/アジア大陸/日本の立場/日本とアジアの勢力均衡/太平洋における米国の支配/日露戦争/第一次世界大戦/第二次世界大戦/日本の勢力圏構想/米国とアジアの均衡

第4章 世界の中の米国          (原著Chap.?)

大陸間の相互依存/ワシントン会議/日英同盟/日独同盟/国際政治のパターン/第二次世界大戦の地理/太洋横断ルート(北極海、大西洋、太平洋)/西半球の包囲

第5章 西半球の防衛          (原著Chap.?)

太平洋からの侵略(前哨基地[アリューシャン列島・ハワイ諸島]、米本土[沿岸防衛・陸上攻撃機])/大西洋からの侵略(前哨基地[アイスランド・アゾレス諸島]、北米緩衝地帯、北米大陸地帯、「アメリカ地中海」、南米緩衝地帯、南米等距離地帯)/アメリカ大陸防衛の可能性

結 論               (原著Conclusion)

米国の地理的位置/新世界は防衛できるか?/四分の一世界の防衛?/第二次世界大戦後の戦後世界を構想する/世界連邦/米英による覇権/勢力均衡/領土安全保障と平和的調停/米国と平和的調停/米国とヨーロッパ/米国とアジア/西半球における米国/世界の中の米国

【解説】21世紀の日本とスパイクマン・リバイバル

第一節 今なぜスパイクマンなのか、今なぜ地政学なのか

現代アジア情勢とスパイクマン地政学/「ハートランド=ロシア」の膨張

第二節 スパイクマン国際政治理論と二一世紀世界秩序

スパイクマン国際政治学とパワー概念/二一世紀日本の防衛をどう考えるか/スパイクマンの経歴と著作

ニコラス・スパイクマン[スパイクマン ニコラス]
アメリカの地政学者・政治学者・外交戦略家。イエール大学教授。1893年オランダで生まれ、1913年からジャーナリストとして4年間中東・極東で過ごした後アメリカに移住。カリフォルニア大学で博士号をとり、1925年からイエール大学に移り、国際学部主任教授、国際研究所所長などを務める。1943年にガンのため49歳の若さで死去。

渡邉 公太[ワタナベ コウタ]
1984年生まれ。神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。専門は外交史。『昭和史講義』『大震災復興過程の政策比較研究』(共著)などの著書がある。

内容説明

地政学、国際政治学の祖スパイクマンの主著の初邦訳版。日本の真珠湾攻撃の3か月後に出版された本書は、刊行と同時に米国で高く評価された。世界地図と該博な地理の知識を駆使して戦後の世界情勢を予見した本書は、75年前の著作でありながら、現代の国際情勢を考えるための重要な示唆を与えてくれる。

目次

第1章 パワー・ポリティクスと戦争
第2章 新世界における米国
第3章 「アメリカ=太平洋」ゾーン
第4章 世界の中の米国
第5章 西半球の防衛
結論
解説 二一世紀の日本とスパイクマン・リバイバル(渡邉公太)

著者等紹介

スパイクマン,ニコラス・J.[スパイクマン,ニコラスJ.] [Spykman,Nicholas John]
1893‐1943。オランダ出身の元ジャーナリスト/イエール大学教授。20世紀のアメリカを代表する外交戦略家および地政学者。カリフォルニア大学で博士号取得後、イエール大学の国際学部主任教授、国際研究部の初代所長などを歴任。地政学ではユーラシア大陸の周縁部の重要性を説く「リムランド論」を主張したことで有名。第二次大戦勃発直後に地理学の分析を元にして「将来は日・独との同盟が必要になる」と主張して、当時の米国内で激論を巻き起こす。1943年にガンのために49歳の若さで死去

渡邉公太[ワタナベコウタ]
1984年生まれ。京都府出身。筑波大学卒業後、神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。この間、日本学術振興会特別研究員、ワシントン大学客員研究員、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構研究員などを歴任。現在、帝京大学文学部専任講師。博士(政治学)。専門は外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Fumi Kawahara

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冷徹に現実を見据えて、真珠湾攻撃のショック冷めやらぬ(この本の出版は三ケ月後だったけど、たしか、この論説を学会の論壇で公表したのは、2週間後かそこらだったと記憶している)米国で堂々と「米国は日本(と独逸)と、同盟を組むべし」と論じて非難轟々されたけど、今やすっかり名著の必読本。南シナ海での中国の台頭までは言い当ててるけど、知りたいのはその先なんだけどなー・・・まぁ、こっから先は現代人である私達が考えろ、と。これが書かれた頃にはあった国も今はないし、なかった国が今ではあるわけで、そりゃそうだわな?2017/05/27

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