現代の軍事戦略入門―陸海空からサイバー、核、宇宙まで

スローン，エリノア【著】〈Ｓｌｏａｎ，Ｅｌｉｎｏｒ Ｃ．〉/奥山 真司/関根 大助【訳】

芙蓉書房出版（2015/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 371p／高さ 19cm
• 商品コード 9784829506455
• NDC分類 391.3
• Cコード C3030

内容説明

冷戦後の軍事戦略理論の概要を軍種、戦力ごとに解説した入門書。「古典」的人物から、現代の専門家まで幅広く取り上げ、コンパクトに紹介。テクノロジーの進化により軍種を横断した理論が求められている現状をふまえ、独立した章を設けて「統合理論」を解説。

目次

第１章　シーパワーの理論
第２章　ランドパワーの理論
第３章　エアパワーの理論
第４章　テクノロジーの進化と統合理論
第５章　ゲリラ戦の理論
第６章　サイバー戦論の理論
第７章　核戦力と抑止理論
第８章　スペースパワーの理論

著者等紹介

スローン，エリノア［スローン，エリノア］ ［Ｓｌｏａｎ，Ｅｌｉｎｏｒ　Ｃ．］
１９６５年生まれ。カナダの首都オタワのカールトン大学国際関係学科教授。専門はカナダとアメリカの安全保障・国防政策。カナダの王立士官学校を卒業し、同国陸軍の士官を務める。カールトン大学の国際政治学院で修士号（ＭＡ）を取得した後にアメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学のフレッチャー法律外交大学院で博士号（ＰｈＤ）を取得。オタワにあるカナダ軍司令部の分析官として働いた後に現職

奥山真司［オクヤママサシ］
１９７２年生まれ。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学卒業後、英国レディング大学大学院で博士号（ＰｈＤ）を取得。戦略学博士。国際地政学研究所上席研究員、海上自衛隊幹部学校客員研究員、青山学院大学非常勤講師

関根大助［セキネダイスケ］
１９７６年生まれ。ウーロンゴン大学豪州国立海洋資源・安全保障センター（ＡＮＣＯＲＳ）海洋政策博士課程修了（海洋政策博士）。一般社団法人日本戦略研究フォーラム特別研究員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[Koning]

手堅く2010年位までの軍事戦略に関して海、陸、空と歴史のあるものを抑えてからRMA・統合戦略と続き、非対称戦、サイバー戦、核と抑止理論、そして宇宙空間と現代の戦略を考える上で基礎的なお題をざっくり紹介してくれている。参考文献もきちんとでているので、気になるところから紹介されている論文などに当たるといいんじゃないか？という感じ。最後の訳者達による日本の問題点は江畑さんがなくなった時に某政党の自称専門家先生がいらぬことを言って叩かれた件でもそうなのだけれど、いまひとつちゃんと認識してない人が多すぎて（ry

2015/09/24

[壱萬参仟縁]

12年初出。戦略はギリシャ語のstrategosに由来。将軍の意（１０頁）。孫子：将軍の指揮には、知恵、誠実さ、人間味、勇気、厳格な様子を見せなければならぬ（６４頁）。クラウゼヴィッツ：戦いの本質は重要で無形、実態のない主観的な要因が含まれる（６７頁）。ゲリラ：敵が進軍してくると気には撤退し、止まった時に嫌がらせを行い、敵がつかれたときに攻撃し、撤退しているときに追撃すべき（１８６頁）。全くもって人間失格なことをするのがゲリラのようだ。

2015/07/07

[金吾]

○まさしく表題通りの本です。既存の思想から現代の戦略に至る変遷、現状を分かりやすく書いています。この量をこれだけコンパクトにしかも理解容易に記載した著者は凄いと感じました。ゲリラ戦、サイバー戦争やスペースパワーという日本が大きく遅れている部分の章が特に興味深かったです。

2020/05/31

[しく]

現代の核戦略・サイバー戦略・宇宙戦略まで網羅している本は中々無いので貴重なのではないでしょうか。スペースパワーというのはまだ未成熟という話を聞いていたのであまり期待していなかったのですが、意外と環境によって規定される普遍性や必然性があり取っ掛かりがしっかりしていて面白かったです。

2015/07/25

[purufeido]

タイトルに相応しく陸海空その他について各分野について歴史に沿って概略的に把握することができる素晴らしい本。古典に関しては多少は知ってること前提だが別に知らなくても普通に読めるので気にしなくていい。イラク戦争以後という最先端ないしその少し手前のものは日本語で読めるものとしては他にないのでは？（無知な読者）

2015/07/14