内容説明
山で働き暮らす人々が実際に遭った奇妙な体験。「現代版遠野物語」の誕生として話題になったベストセラー第二弾を文庫化。
目次
1 胸騒ぎの山(八甲田山;真夜中の行軍;怖いモノは無視せよ! ほか)
2 彷徨える魂(切りたくない木;峠に集う者;続・楽しい夜店 ほか)
3 森の咆哮(軽トラの待ち伏せ;行ってはいけない;消えた友人 ほか)
著者等紹介
田中康弘[タナカヤスヒロ]
1959年、長崎県佐世保生まれ。礼文島から西表島までの日本全国を放浪取材するフリーランスカメラマン。農林水産業の現場、特にマタギ等の狩猟に関する取材多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ヒロの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
53
私はトレッキングを趣味としています。この本でも取り上げられた山域をしばしば歩きます。私自身、静謐な森を歩いている時、何かの視線を感じながら歩くことが稀にあります。もちろん気のせいでしょうけど。そんな、森や狩猟や山里に伝わる伝承を丁寧に拾い起して綴られた一冊です。登山、狩猟、民俗学が好きな方に特にお勧めです。2020/10/13
田中
30
前作の「山怪」より全体的にいくぶん体験内容が薄くなった気がする。が、やっぱりそれなりに不思議な奇譚集で楽しめた。山人が耳にする怪音の話が多かった。それよりも奇妙なのは、ある林業者が同じ夢を何度も見るので気になってしまい夢に出てくる現場に行った体験談。とても薄気味が悪い結末である。御巣鷹山に慰霊登山に行き、居ないはずの友人と出会うのは、珍しい怪異な話だった。岐阜県飛騨市「神岡町」ではUFOを目撃している人が多いらしい。頻繁に見られるとは山麓に基地でもあるのだろうか。一度UFOを目撃に行ってみたい地域である。2022/05/20
流石全次郎
16
著者が聞いて集めたという山・森・集落での出来事集。怖いのか怖くないのか、語る人の感想も様々。自分の読書記録に「里山奇談」というシリーズを記しているけど、どちらかというと「山怪」シリーズのほうが厳かに受け入れ易いと感じています。2021/10/17
HaruNuevo
12
山怪シリーズ第二弾も、基本的に淡々と蒐集した山に関係した不思議な体験が綴られるが、要所で挟まれる著者のツッコミがなかなか良い。 お馴染みの発光体や謎の音等の話から、いきなりミミズ素麺というパワーワードの話しがぶち込まれる。 二冊目は、西日本寄りの話が多かった。 同じような話もたくさん出てくるから、飽きそうなんだけど、不思議と読んでいて飽きることがない。2023/07/31
タカボー
12
山で起こる不思議な出来事集「山怪」の第二弾。この手の本が大好きで、「山の霊異記」とか、「里山奇談」とか一年に必ず一冊は読む。その中では、本当に誰かに聞いた話という感じで、最もフィクション感が無い。その分ストーリー性も無い。山は薄暗かったり、光と影のカオス状態で幻覚が見える感覚はよくわかる。以前登山してるときにヒグマぐらいの巨大な狸が、木の陰から二本足で立ってこっちを見てたことがあった。死体から出たリンが自然発火する事が本当にあるのかな?2021/01/21