内容説明
日本人はチベットと、どのようにかかわってきたのか?明治末~大正期に秘かにチベットに入り、ダライラマ13世のもとで10年間修行した僧侶の生涯を追った評伝。チベット大蔵経、医学・薬学の稀覯本など貴重な資料を持ち帰った多田等観の功績は大きい。
目次
序章 多田等観が生きた時代
第1章 明治日本とチベット
第2章 チベットへ
第3章 ラサでの生活
第4章 帰国後の多田等観
第5章 晩年の多田等観
終章 日本人と「多田等観」
多田等観研究の現在
著者等紹介
高本康子[コウモトヤスコ]
1967年、横浜市生まれ。2006年3月東北大学国際文化研究科博士課程後期修了、博士(国際文化)。東北大学大学院国際文化研究科専門研究員、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター非常勤講師を経て、現在、群馬大学「アジア人財資金構想」高度専門留学生事業担当講師。専門は比較文化論、日本近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hisatomi Maria Gratia Yuki
3
ヤマケイ文庫版の江本嘉伸『新編・西蔵漂泊 チベットに潜入した10人の日本人』を読んだ記憶も新しいうちに読んだので、等観がさらに親しいひとのように思えた。アメリカに招聘されての研究生活や、日本山岳会や地元とのかかわりなど、どこでも心温まる交流があったことがうかがわれ、ほっとする。一方、川口慧海などは、チベット研究を通じてあたたかい繋がりというものを現世で持てたものであろうか、などと考えてしまう。そして、そう思わせる等観の資質が、ダライ・ラマ13世やチベット人との強い繋がりを生んだのではないかとも思う。2017/06/22
小出享一
0
チベットで大谷光瑞の命により10年間セラ寺で修行をした多田等觀を取り上げた北海道大学の高本先生の著書。等觀とラマ十三世との交流なども描かれる。2014/04/29