目次
第1章 安らぎの旅路(水清きふるさと 甘楽―群馬;ゆっくら歩く東海道―静岡 ほか)
第2章 自由への旅路(「英雄の街」のクリスマス―ドイツ;言葉の力にふれる旅―東京 ほか)
第3章 青春の回廊(青春の回廊 伊藤松崎―静岡;江戸川乱歩の妻、お隆さんを訪ねて 鳥羽―三重 ほか)
第4章 いのりの海へ(咸臨丸を支えた人々―神奈川ほか;三浦文学の聖地 旭川―北海道 ほか)
著者等紹介
渡辺憲司[ワタナベケンジ]
1944年北海道函館市生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業後、横浜市立横浜商業高等学校(定時制)・私立武蔵高等学校・中学校教諭、梅光女学院大学(現梅光大学)助教授、立教大学文学部教授をへて、名誉教授に。2010年8月より2015年まで、立教新座中学・高校校長。自由学園最高学部長。専門は江戸文学研究。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
30
東日本大震災で卒業式が中止になった立教新座高校の卒業生への式辞「時に海を見よ」がネットで話題になり、有名になった渡辺元校長先生。本著は国内外を回った紀行エッセイ集ですが、文学研究者らしい蘊蓄が散りばめられていますが、物足りない。「いかなる困難に出会おうとも、自己を直視すること以外に道はない。海を見つめ。大海に出よ。真っ正直に生きよ。くそまじめな男になれ。一途な男になれ。貧しさを恐れるな。思い出に沈殿するな。未来に向かえ‥‥」あの式辞の持つ強いメッセージ性にはやはり敵いませんね。2018/08/30
ツキノ
16
婦人之友社『明日の友』で2004年から6年間連載された紀行文。出会った人や場所の描き方がいい。すうっと胸に風が吹き抜けるような文。旅、いいですね。渡辺憲司さんといえば東日本大震災の年、中止された卒業式の代わりに「時に海を見よ」とい激励のメッセージで知った方。これは文庫になっていて長男にも読んでもらった。再読したい。2019/03/07
マーシュランド
8
渡辺先生のことは2011年3月の立教新座卒業式祝辞で知り、昨年お話しする機会がありました▼山口の回天は涙なしでは読めませんでした▼ちなみに自由学園最高学部長ブログは楽しみに読ませて頂いてます▼190032019/01/06
おがっぴ
4
最初はのんびり旅紀行の本と思ったら、後半は一転、反戦、公害被害、原発へと心を鷲掴みされるような悲しい、けど忘れてはいけない、メッセージ性の高い紀行文になっています。 著者の平和への祈りの気持ちに激しく共感します。2018/08/17
シロクマぽよんぽ
3
旅行エッセイ。広島、長崎、沖縄、水俣、そして福島。胸が締めつけられると同時に、とても暖かい気持ちになった。あとがきもしみじみと来るものがある。歴史を知り、その土地で苦しんだ人々を知り、それを咀嚼して生きようという筆者の姿勢が、本当に素晴らしいと思った。ただただ楽しい旅も良いけれど、こういう大人の旅がしたいものだ。2021/03/18