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神様の悪魔か少年

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  • サイズ B6判/ページ数 391p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784829176580
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「彰人のお父さん、知事にしちゃおうよ」。悪意ある少女・恵はそそのかす。母殺し―自らの犯した罪の時効まであと少し…。悪童・彰人は思った―あまりにも計画通りにことが進みすぎて怖い、と。しかし、恵の「存在」が彰人を少しずつ追いつめていく―。なぜこうなってしまったのか。子供たちの未熟な論理は悪意となって大人たちに向けられる。だれがこの戦いの結末を想像できようか!言の葉の魔術師、奇才・中村九郎が描く青春ノワール。

著者等紹介

中村九郎[ナカムラクロウ]
1979年生まれ。広島県出身。2005年に第3回スーパーダッシュ小説大賞最終候補作『黒白キューピッド』(スーパーダッシュ文庫刊・集英社)、第4回富士見ヤングミステリー大賞・最終候補作『ロクメンダイス、』(富士見ミステリー文庫刊・富士見書房)が相次いで刊行されデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

11
再読。傑作だ。作者の他の作品を試し読みしたが、他は1Pからラノベ展開だった。この作品だけが、独特の詩に似たリズム、徹底した主人公視点、キャラの魅力といった、ラノベで培った良い点だけを昇華し、一般小説の青春ノワールに持ち込んでいる。慣れにくい独特の文体は、初読よりも、再読するにつれて理解が進み、どんどん展開の新鮮さが増えていく。しかし中村九郎さん、もう五年以上新作がなく、書いても多分この路線ではないだろう。貴重なこの作品が絶版で、ラノベ扱いのためか図書館にもないのは、残念としか言いようがない。2016/07/01

不以

7
毎度のことながら心情に寄り添いすぎた文章とやたら論理的な構成は読んでいて足元が危うくなる感覚がある。しかしこれが「幼児期に母を殺し思春期に時効を迎える少年が地方政治に介入して死体をダムに沈める」という罪悪感と某略が錯綜する情況とマッチして、震えるほど面白かった。あと誰も彼もがねっとりとした悪意を振りまいてるのに読後感がやたら良くて。2016/12/22

5
好きな作家のブログで中村九郎さんへの言及があったので、一番興味の持てたこの本を読んでみた。・・・素晴らしい。徹底的に登場人物の主観に絞った描写をしているせいか、とても変わった文体。慣れるまで50ページくらいかかった。なぜか現実の体験をフラッシュバックさせる、架空の地獄を描いた作品(でも最後まで読むと、とても爽やか)が、どうやら僕は好きみたいだ。でも、この本も既に絶版。電子書籍にもなく、古本としてしか購入できなかった。僕が気に入った作品ほど高速で絶版になる、この法則はどーしたもんやら。2015/10/03

訃報

2
快作ならぬ怪作。改行が多く一見読み飛ばせそう、というか読み飛ばすこともできるようにしてある、のだけど実は一文一文が重く、隠喩的、意味とイメージがかっちり結びついているという点で正しく詩的な、読者を試すようなひねくれた文体。一般的なラノベ読者には…いやラノベにかぎらず大概の読者には「読みにくい」の一言で放り投げられそう。一応どんでん返しとか萌えもあるけど、商業とは相容れない感。ADVの方が向いてそう。正直読むのしんどかったし。でも思わず書き留めたくなるようなフレーズが多々あり、読後後悔したということはなか2012/09/29

alafish

2
物語に惹きこまれたのは事実。文体が個性的だとは思うけれど、読んでいく上でいい方向に作用するようなものではないように感じた。序章の文章は最高だった。詩、という印象しか受けない文章。この文体だったら、詩の方がいけるんじゃないだろうか。2012/07/06

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