内容説明
僕の家は自動車教習所教官のとうちゃん、スーパーでパートで働くかあちゃんと、3歳年上のにいちゃんの4人家族。とうちゃんは寡黙でかあちゃんの言いなりで、うちで一番偉いのはかあちゃんなんだと思ってた。かあちゃんは美空ひばりちゃんが大好きだった。テレビのチャンネル争いはかあちゃんの「ひばりちゃん、ひばりちゃん」で決着した。ある日、うちの近所でコント55号の公開録画があった。ステージの上の欽ちゃん、二郎さんは輝いていた。しかし番組参加をつのる場面で、僕はどうしても手をあげられなかった。かあちゃんは他の誰よりも大きな声をあげて僕の手を持ち上げたけど、僕はさされなかった。帰り道、かあちゃんはなぜかひとこともしゃべらなかった―。いくつかの季節が過ぎ、あたたかい家族の中で僕は少しづつ大人になっていく。かあちゃんの好きなひばりちゃんの歌と、郷愁を誘う昭和四十年代の風景と共に。母と子、家族の強固な絆と、昭和の大スター美空ひばりと同時代を生きた女性の剛健な一代を叙情的に描く傑作小説。
著者等紹介
松野大介[マツノダイスケ]
1964年川崎市生まれ。85年ABブラザーズとしてタレントデビューし、テレビ、ラジオなどで活躍。「オールナイトニッポン」「夕焼けニャンニャン」など出演番組多数。95年「ジェラシー」が文學界新人賞候補になる。同年、「野性時代」(角川書店)に「コールタールみたいな海」を掲載、小説家デビュー。98年『芸人失格』(幻冬舎)がスマッシュヒット(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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