内容説明
片桐芸術高校に君臨するエリート集団「赤石沢教室」。それは、夭逝の芸術家、赤石沢宗隆最後の弟子たち。憧憬と羨望と、僅かな畏怖。それが彼らに向けられる視線。二年前に亡くなった兄のあとを追い、片桐芸術高等学校に入学したあゆみは、兄の死に「赤石沢教室」が関わっていると知る。密かに復讐を誓うあゆみだが、その頃から、奇妙な出来事が起こり始める―。終りを告げた漆塗りの闇の時代。“現代のゴヤ”が収集した少年少女。稀代の芸術家が遺した最高傑作とは?驚天動地のサイコロジカル・ミステリー。
著者等紹介
田代裕彦[タシロヒロヒコ]
神奈川県在住。第三回富士見ヤングミステリー大賞を受賞、04年『平井骸惚此中ニ有リ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じゅにスラ
2
あとがきにもあるけど、『キリサキ』『シナオシ』を別ベクトルに進めたような作品。充実とも爽快とも違う、名状し難い読後感がたまらん。色々な思いと言葉が綯い交ぜになってしまっているから、ハッキリ言えるのはこれだけだ。最高に面白かった!!2009/10/15
きみどり
1
この作者の流れに乗るまでにひと手間かかってしまった。それなりに楽しんで読んだけれど、別の作品も読んでみたい!とはなっていない。装丁がいいので本棚には置いておく。2018/01/12
らっこ
1
芸術高校を舞台にした「君」と「僕」を巡るミステリ小説。講談調でこそないですが、語り掛ける文体で繰り広げられるお話は魅力的。ただ雰囲気は出ているものの、出した重厚さのレベルを考えると肝心のトリックがアンバランスでおしい。読む前の期待値が高かったからな~。2014/08/18
なゆた
1
推理する所無いなぁ、と途中まで思ってたのですが、あの人の正体を疑って読むようになったら面白かったです。やっぱり直球じゃなかったな、と思いましたが正体までは思い至らず。話は面白かったですがラストの感じが微妙に後味悪かったです。2012/06/19
間立
1
二人称視点で綴られるミステリ。芸術科オンリーの高校で起こる殺人と、赤石沢という一人の天才の物語。狂人の育ち方。2012/05/03
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- 和書
- 天離り果つる国 〈下〉