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内容説明
虚空に穿たれた小さな亀裂。それは幽幻種を穢歌の庭へと還すために開かれた扉だった。その身に宿す魔笛が呼応し引き寄せられるシェルティスと、彼を救うべく手をさしのべた天結宮の巫女ユミィは穢歌の庭へと堕ちてゆく。彼の地にみちる濃密なる魔笛と夢数の幽幻種たち。その先にあるものは―「あなた次第です。このままでは二人が浮遊大陸に戻ってくる可能性はゼロなのだから」異篇卿イグニドがモニカたちに語る、穢歌の庭に堕ちたシェルティスとユミィを待ち受ける運命とは―強き決意が奇跡へと昇華する、重層世界ファンタジー。
著者等紹介
細音啓[サザネケイ]
『黄昏色の詠使い』にて第18回ファンタジア長編小説大賞佳作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
28
夜色の少年と夜明け色の少女が恋をした黄昏色の空と、心優しき機械好き青年と不完全神聖機関駄メイドが出会った遙かな昊と、相反する二つの力を身に宿してしまった少年少女が暮らす大陸の天。三つの空が繋がった。時を超えて世界を超えて、呼び合う三重の連謡。原初を告げる三匹の獣。音を紗り、砂を紗り、気の遠くなる切なさと痛みを積み重ね護ってきた世界の終わり。互いの選択が互いの道行きを決める時、痛みも悲しみも全て置いてただ正答だけを選ぶ事ができるのだろうか。けれど必ず、君の元まで辿り着く。物語は佳境。三つの天を結わえる塔へと2012/11/19
コリ
22
『不完全神性機関』シリーズは読了済みなので凪の登場にはテンションが上がった。世界の成り立ちに対する真相や謎が少しずつ明かされていき、終わりが近くなってきたのかなぁと。シェルティスとユミィが幸せになれる未来は来るのか?もうそれだけが気がかりで…。一筋縄じゃ行かないだろうけど是非ハッピーエンドを!寂しくて枕を濡らしちゃうモニカ可愛い(笑)そしてそろそろ真葉の挿絵をお披露目してくれてもいいんじゃないかな!?かな!?次は半年か…。ま、イリスの方を楽しみにしますかね。2012/09/29
ちゃか
17
「穢歌の庭」に落ちたシェルティスとユミィ。そこで二人は多くのことを教えられる。イリスと詠使いのどちらともリンクしてきた感じで、イリスはともかく詠使いの方はどうやって繋がるんですかね。そして、イリスシリーズで出てきた、プロジェクト・エデンの目的とか、浮遊大陸のからくりとか色々なものが明かされて、驚き通しの話でした。シェルティスたちの側の謎は結構明かされてきたのかな、と思います。この中で異篇卿たちの計画の狙いはどこにあるのか気になりますね。2012/09/20
仔羊
15
セラの虚像の討伐のち、シェルティスとユミィはエデンの第五鏡界に堕ちるのだがそこは…。懐かしのあの人やダ家政婦のご主人様との出会い、次元が止まっている世界の中でこの世界の現状を目の当たりにする物語。この後二人はこれにどうするのか、第三案が出てくるのか、異篇卿が何故これに関わっているのか、色々と気になるところです。これ、「イリス」の最大のネタばれになっているような…。2012/09/20
カインズ
13
【繋がる世界】★★★★★ エデンの先に広がる予想外の世界、新たにされる真実、そしてシェルティス等を導く者達。世界が大きく広がる、いや過去と未来という区分けがされていた世界が繋がったと言うべきかもしれない。あの人が登場したり、あの人の名前が出てきたりと著者のファンである自分にとっては嬉しいことしきりであった。紗砂の正体を知った後のツァリをも負かすエリエが発した言葉は、彼女の純粋な優しさをとても良く表していて印象的だった。モニカ小隊の面々もしっかり成長しており頼もしさが感じられる。マハさんも可愛かった。2012/09/20