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内容説明
「わたしはね、大統領だよ。退屈していたところなんだ。お茶は出せないけれど、ゆっくりしていくといいよ」目にしたすべての鍵を開けずにはいられない衝動と、天才的な解錠技術をもつ少年キリエは、好奇心旺盛な妹ミドリカに連れられ禁断の「監獄砦」を訪れた。そして43もの鍵を開けて辿り着いた尖塔の最奥、不思議な檻の中で優雅に微笑み“大統領”と名乗る美女と出会う。彼女の檻は、どうしても開けられなかった。「鍵があれば、開けるだけ」―“大統領”の檻を開けることを少年が決めた夏、“失われたはずの力”が甦る。自分が何の鍵を開けようとしているのか、少年に考える間も与えずに…。
著者等紹介
池田朝佳[イケダアサカ]
『鍵開けキリエと封緘師』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こんこん
4
ひたすら「普通に」鍵を開ける主人公、というのはある意味斬新だと思う。魔法の小箱だってそれで開けちゃうんだぜ?こぢんまりとした雰囲気はわりと好き、ほとんど何も語られていない世界は、つまり彼の視点でもあるんじゃないかなあ、とか。2010/01/06
ニル
3
新人デビュー作品。表紙を飾るヒロイン、大統領の淫靡な肉質感漂わせる乳房に視界が奪われる本作。私は何も間違った事は言っていない。文書が読み難くく、情景描写が過不足無いはずなのに連想が難しい。特に塔の内部と大統領の檻辺り。鍵を開ける事に執着する主人公が、どうして鍵に情熱を燃やすのか全く語られておらず、且つ妹以外は気にかけない世捨て人として書かれているのに終盤でああいう展開になるには、色々と足りない。もっと大統領と主人公に絞った方が面白くなったはず。2010/05/21
秋山真琴
3
設定が魅力的であるだけに、物語るちからがないのが残念。登場人物も同様。各登場人物の方向性や指針が見えてこないから、予想が立てられず、従って裏切られることもない。何よりも、主人公が最も淡白だと言うのが困る。熱血にしろとは言わないけれど、これは無気力に過ぎる。児童文学的な語り口は、けして嫌いではなかったのだけれど。2010/02/07
タカユキ
3
鍵開けと封縅が繋がらず、ただのファンタジーに成り下がった印象。悪い魔法使いもただの駄々っ子だし。勿体無い。2010/02/05
t_hirosaki(t_hirosaki)
3
なんか富士見の新人ぽくない話だなあと思って調べたらTRPG絡みの人だと知って納得。並み居る鍵をものともせずにガンガン開けてくキリエの安定感は抜群ですね。お兄ちゃん大好きなミドリカの気持ちも分かる気がする。舞台の設定がいかにもTRPG出身者って感じの凝りようで、封緘術は派手すぎず地味すぎずでいい感じ。結構面白かったです。でもこれどうやって続き出すんだろう。むしろ出るのか? あとイラスト自重wなによこのナチュラルな百合w2009/12/20