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内容説明
リュジューは素晴らしい歌姫だった。大輪の花を思わせる華やかな美貌、太陽の光を集めたように光り輝く金色の髪、透き通るような白い肌、そして聴く者の心を融かす蜜のような歌声…。だが客の中で唯一人、ルディンはその歌に酔えないでいた。人にしかできない情感のこもった見事な歌―ところが、腕利きの工匠である彼には彼女がどうしても機械人形にしか見えないのだ。工匠としてのプライドを刺激されたルディンは彼女に賭けを申し込む。艶然と微笑み、申し出を受けるリュジュー。しかし、ルディンは気付いていなかった。この笑みが彼の運命を大きく変えてしまうことに…。第九回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞!スリルとロマンスたっぷりの本格ファンタジー登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハル
12
90年代のファンタジア文庫らしい王道ファンタジーラノベで楽しく読めました。 ただ、なんとなーく過去のファンタジア文庫の焼き直しというか古臭さが漂う…(-∀-;) 調べてみたら発売は1998年。ファンタジー系ラノベの流行りが終わり、既に電撃文庫がラノベ業界のトップに立っていた頃。既存のファンタジア作品(オーフェン・リウイ・セイバーマリオネット等)を合わせた感じに見えて、目新しさはなかったかな。 王道なストーリーは好きだし、一切ギャグが無いというのもファンタジアにしては斬新でした(・ω・)2014/08/30
紫
1
機械は旧時代の工匠文明のロストテクノロジー、魔法は根絶されたはずの禁忌の知識で主武器は刀剣や格闘、という一風変わった世界観の異世界ファンタジー×機械物。ヒロインのマーセルは病弱美少女ですが、性能は用途別の機械人形(三体)に精神を転移できるという設定でして、変身魔法少女の変形なのか、はたまた特撮ヒーロー流のフォームチェンジ!? なお本書、1998年5月初版発行で、読んだものは1999年4月発行の五版。売れていたんだ。なのに著者は本書以外はアンソロジーへの収録があるきり。もったいないのであります…。星5つ。2020/03/21
t_hirosaki(t_hirosaki)
1
十数年ぶりの再読――にして、個人的にオールタイムベストって言っていいくらいの名作。ルディンやマーセルの暮らす、工匠の遺した機械たちによって作られた街の美しい情景、豊かな発想によって生み出された心躍る不思議な機械の数々、おどろおどろしい魔術師の『鮮血魔法』、そして全編を貫く少し強めのラブコメ臭。皆様ご覧あれ、これがライトノベルだ! って声を大にして言いたい。しかしこの筆者、榊一郎やあざの耕平の同期なんですけどどうしてこうなったってくらい明暗分かれてますね。続きでも新作でもいいから出して! まだ待ってるから!2014/01/05
ニル
1
当時高校生でした。フルメタで知った四季童子さんのイラストに惹かれて買いましたが、とても素敵な作品です。続きが出ていても良かったなぁと今でも想う。2009/12/28
tame
0
古き良きファンタジーライトノベルで誠実なボーイミーツガール。奇をてらっていないからこそ安心して世界観や物語に浸れた。機械と魔法で紡がれているファンタジーだけどお話自体は壮大な感じではなく小さくまとまっているからちょっと物足りないが、彼らの物語のほんの序章に過ぎないんだと思うと十分ドラマチックだな。2016/08/15