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内容説明
藤菜は駆けた、何かから逃れるように。藤菜が逃れたいもの、それは世にも稀な美貌の持ち主、夜叉だ。都の公達らしい上品な立ち居振る舞いとうっとりするほどの美貌の陰に冷酷で残忍な心が宿っていることを、夜叉に仕える藤菜は嫌という程、知っていた。逃れたいが、逃れられない藤菜は、今日も夜叉の言いつけで走った。ある平和な村に罠を張るために。しかし、その村で藤菜は清廉な青年・月王と出会う。藤菜の、月王の宿命が静かに動きだした…。第七回ファンタジア大賞佳作受賞のドラマチック・ファンタジー、いよいよ登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
megyumi
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電子書籍化記念再読。第7回ファンタジア長編小説大賞佳作。「お」がついたりつかなかったりする耽美路線なら風の大陸っていう大先輩が富士見にはいたけどヒロインが作中で言うところの醜女というのは……あ、ヒカルシリーズの末摘花があったか最近だと/ヒロインは醜女だけど主人公は盲目なので心の美しさに魅せられて恋に落ちるという話。でも、平安の農村がはっきり目に浮かぶくらい語彙力に富んでるのに、どう醜いかについては踏み込んでないので輪郭がぼやけてるところは。ヒカルはその辺はっきり描いてたな。どちらもイラストはないけれど。→2014/07/16
あきら
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再読。平安時代ものは大抵都か貴族ものが多いけど、この作品はどこかの鄙びた村。そこに魔につかれた公達かやってくるという話。真言は沢山出てくるし、平安ファンタジー!って感じです。月王のようにひとの心のかたちが見えたらいいなあ、と読みながらいつも思ってしまうのです…。大好きな本のひとつ!2010/06/23