内容説明
徳島藩・蜂須賀忠英のお膝もと金比羅権現の裏山の楠に藁人形が打ちつけられた。藁人形の中の紙には2代当主忠英の名が書かれていた。筆跡が江戸家老の勤めを終え国元に戻っていた海部郡鞆城城代・益田豊後のに似ており、豊後に嫌疑がかけられた。公儀の隠密、葦の者、美馬党らが入り乱れ、虚々実々の駆け引きが、阿波と江戸で展開する。一介の家臣が主家より独立し大名にならんとしておこった海部騒動の裏には、美しい女の命をかけた恋情が糸をひいていた…。史実をもとに斬新な手法で描くオリジナルの新伝奇時代小説。
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- 和書
- 幕末天誅斬奸録