内容説明
「忠の一字は守らねばなりませぬ。綱太郎さま、おゆうはそう思いきめておゆるしをいただきたく参ったのです」―思わぬ許婚の言葉に大奥御広敷の伊賀者・無明綱太郎は初伽の時、おゆうを活造りにして綱吉に呈した。忠義と女を憎むようになった綱太郎の前に赤穂浪士を暗殺せんと上杉家の能登組忍者がおくられる。一方上杉家江戸家老は暗殺せずに浪士達を色道地獄に堕せと女忍者6人をつかわせた。次々と展開されるエロティックな闘い!ご存知赤穂浪士の復仇に新解釈を加えた代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベック
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とうとう最後の忍法帖を読んでしまった。別段、本書がラストをかざるにふさわしい傑作かといえば、そんなことはない。忍法帖シリーズの中では中くらいの出来だろう。それでもやはり無類におもしろかった。誰もが知っている定番の忠臣蔵をこのように料理してしまうとは、恐るべし風太郎。2005/03/27
NICK
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山風的忠臣蔵。『甲賀忍法帖』が忍者バトルモノだったのに対して、忍術による策略をメインに置いている。特に女忍者のエロ忍法。原著がいつ世に出たかは知らないが(60年代?)、エロ忍法の悪趣味ぶりは今でも通用しそうである。TSが味わえるとは思わなかった・・・ 出てくる忍法はギャグすれすれの荒唐無稽なものばかりだが、話の筋は悲劇的である。『忠臣蔵』という話が一種のヒーローモノなのに対し、凄惨な物語が語られる。2010/09/28
Kentarou Takeuchi
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無残で面白いけれど、忍法は一度出せば破られるものばかりでちょっと飽きるね。大石内蔵助にももう少し根拠が欲しかったわ。2018/08/28