内容説明
“鉄砲を打て”隆貞が低く命令した。銃兵は火縄の火を吹き銃を構えた。その時、笠戸城の大手門が開かれ、一つの灯が進みでた。小人数の女ばかりの行列。笠戸城主信光の母沙和であった。敵の城主の母を妻に迎える事にした岩窪城主隆貞。その子小太郎は初め反発するが、次第にその人柄と美しさにひかれていく…。そして上杉謙信との戦いも始まろうとしていた。表題作他、竹中半兵衛と妻真那姫千弥との物語「高嶺の霞」「野の花と軍師」等、井口文学の真髄をあらわす清冽な秀作集。
“鉄砲を打て”隆貞が低く命令した。銃兵は火縄の火を吹き銃を構えた。その時、笠戸城の大手門が開かれ、一つの灯が進みでた。小人数の女ばかりの行列。笠戸城主信光の母沙和であった。敵の城主の母を妻に迎える事にした岩窪城主隆貞。その子小太郎は初め反発するが、次第にその人柄と美しさにひかれていく…。そして上杉謙信との戦いも始まろうとしていた。表題作他、竹中半兵衛と妻真那姫千弥との物語「高嶺の霞」「野の花と軍師」等、井口文学の真髄をあらわす清冽な秀作集。