感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
一式隼
5
読んだのは30年くらい前。映画監督伊藤大輔、戦前の最高傑作とも誉れ高い「新版大岡政談」の原作。大河内傅次郎一世一代の当たり役。完全にフィルムが残っていないが、私は剣戟シーン(というか捕物シーン)の断片フィルムを見ている。すさまじい迫力で戦後の映画はあれには敵わない。ストーリーを知るために読んだが、のちに伊藤大輔のシナリオを入手した。涙で目が曇ったのは言うまでもない。当時、林不忘の連載が間に合わず、伊藤が先に映画を作り、原作は後追いのノベライズである。戦後「丹下左膳 乾雲坤竜の巻 前編」とされたようだ。2020/09/19